銀の髪に銀の瞳、それが死の夢見鳥の姿であることは知っていた。先祖代々、語り継がれてきたのだし、伝承はそらんじることができるほど聞かされてきた。
屋敷の前に鳳羽がいるのを見たとき、やっとだ、と思った。
死の使いが封印を破って命の夢見鳥を取り返しにきた。ならば周之助が死を賜るのもこの日だ、と思った。
「やっとだ、やっと死の使いが来てくれた」
あはははは、と修太朗は笑う。その声は狂気を帯びて響いた。
「みんな滅びればいい、命をもてあそんできた罰が下るんだ!」
「このうつけが!」
周之助が修太朗を殴ろうとするが、修太朗はさっとそれをよける。
「愚かな」
鳳羽は嫌悪に目を細めた。
このような場面で身内の諍いを見させられるとは思いもしなかった。
正一はその間にじりじりと移動して鳳羽の目を盗んで羽月のそばに寄っていた。
落ちていたかんざしをひろって羽月の首につきつける。
「動くな、余計なことをすると刺すぞ!」
鳳羽はただ視線をちらりと動かしただけで何も言わなかった。
直後、かんざしの銀の蝶の目が光る。
「うわ、なんだ」
正一は驚いて放り投げようとしたが、かんざしはその手から離れない。
屋敷の前に鳳羽がいるのを見たとき、やっとだ、と思った。
死の使いが封印を破って命の夢見鳥を取り返しにきた。ならば周之助が死を賜るのもこの日だ、と思った。
「やっとだ、やっと死の使いが来てくれた」
あはははは、と修太朗は笑う。その声は狂気を帯びて響いた。
「みんな滅びればいい、命をもてあそんできた罰が下るんだ!」
「このうつけが!」
周之助が修太朗を殴ろうとするが、修太朗はさっとそれをよける。
「愚かな」
鳳羽は嫌悪に目を細めた。
このような場面で身内の諍いを見させられるとは思いもしなかった。
正一はその間にじりじりと移動して鳳羽の目を盗んで羽月のそばに寄っていた。
落ちていたかんざしをひろって羽月の首につきつける。
「動くな、余計なことをすると刺すぞ!」
鳳羽はただ視線をちらりと動かしただけで何も言わなかった。
直後、かんざしの銀の蝶の目が光る。
「うわ、なんだ」
正一は驚いて放り投げようとしたが、かんざしはその手から離れない。