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周之助は南京錠を開けて蔵に入った。
なんだか嫌な胸騒ぎがして、いてもたってもいられずに確認に来たのだ。
まっすぐに厨子に向かい、封印が剥がされていることに気が付いた。
「なんということだ」
木乃伊を餌にして、あいつを閉じ込めていた封印だった。
封印が剝がされた今、貴重な夢見鳥を奪われるかもしれない。
慌てて離れに行くと、すでに羽月はいなかった。
周之助はぎりっと奥歯を噛み締めた。
あの血があればこそ周之助は生き延びることができていた。
妹もまた夢見鳥の力の片鱗を持っているようだが、本物に比べたら微々たるものだ。
妹は癒しの力を、姉はその血の力を利用するつもりであったというのに。
「次はいつ現れるかわからない……逃すものか、なんとしてでも探し出す」
周之助はぎらぎらと目に欲望をたぎらせた。