きっかけとなったのは、私が今年の七月二十六日に某SNSへ投稿した三つのポストだった。
1. 実家の幽霊
『今日は幽霊の日だそうで…
私はあまり怖い体験をしていないので、地味な話になるのですが、子供の頃住んでいた家に足首から下だけの幽霊がいました。時々夜中に階段を下りる音を響かせるくらいの、実害のないやつでした。
ただ「二階にいるんだろうな」と思っていたら私の部屋(二階の一番隅にあった)が拠点だったようで、夜中ふと目を覚ました時に足が私の部屋から廊下へ出て行くのを見ました。その時は、さすがにヒィィ…となりました。
引越し後に家はなくなり現在はお店が建っているのですが、二階建てなので、今もまだ階段下りてるのかな、と前を通る度に思っています。』
2. トンネルの幽霊
『もう一つ、幽霊の話を思い出したので…
子供の頃、墓参りを終えた帰りに通った県境の某トンネルでのお話。
その日トンネル内は空いていたのですが、背後からすごいスピードで迫る車が。危ないな、と家族で話していたら、その車がいきなりうちの車を追い抜きました。
青い車で、たぶん女の人が運転していたのですが、驚く私達を尻目にトンネルを出たところでふっと消えたんです。真っ昼間に。
あれは一体何だったのか、未だに分かりません…』
3. 曾祖母の妹
『幽霊はでてきませんが、怖い話だけで終わるのもなんなので…
幼い頃にかわいがってくれた曽祖母の妹さんのお墓が、県境近くにあるのです。子供の頃は盆や彼岸の度に行っていたのですが、大きくなってからは忙しく、長く不義理をしていました。
ずっと気になっていたので思い立ち、ある日一人で墓参りに出掛けました。一人で参るのは初めてで、不思議な気分でしたが無事に終えて帰路につきました。
ただ、気づくと来た道と違う場所を走っています。私は方向音痴なので、迷ってしまったようでした(行きは大丈夫だった)。戻ろうと思うのに、どんどん山奥の知らない場所へと入っていきます。
もうだめかもしれない、と半泣きで路肩に車を止めた時、窓の外を見たらさっき離れたばかりのお墓がありました。
あれ?と周りを見回したら、さっきまでとまるで違う、見覚えのある光景が広がっていました。
一体何が起きたのか、これも未だに分かっていません(二度目はちゃんと帰宅できた)。
でも、曽祖母の妹さんが迷った私を墓まで戻してくれたのか、もう一度会いたくて呼び戻したのか、のどちらかだと思っています。
生前かわいがってくれた人は、亡くなっても守ってくれるのだなと思った体験でした。』
七月二十六日が幽霊の日だと聞き、なんとなく思い出した実話怪談と不思議な話をぽつぽつと投稿したのを覚えている。三つともそれほど閲覧数は多くなかった。いつものように身近な方々に読んでもらって反応をいただいた、至って普通のポストだった。
ちなみに、ポストしたあとフォロワー数が五人くらい減った。フィクションのホラーは読みたくても、実話は読みたくないものなんだな……と反省。すみませんでした。
1. 実家の幽霊
『今日は幽霊の日だそうで…
私はあまり怖い体験をしていないので、地味な話になるのですが、子供の頃住んでいた家に足首から下だけの幽霊がいました。時々夜中に階段を下りる音を響かせるくらいの、実害のないやつでした。
ただ「二階にいるんだろうな」と思っていたら私の部屋(二階の一番隅にあった)が拠点だったようで、夜中ふと目を覚ました時に足が私の部屋から廊下へ出て行くのを見ました。その時は、さすがにヒィィ…となりました。
引越し後に家はなくなり現在はお店が建っているのですが、二階建てなので、今もまだ階段下りてるのかな、と前を通る度に思っています。』
2. トンネルの幽霊
『もう一つ、幽霊の話を思い出したので…
子供の頃、墓参りを終えた帰りに通った県境の某トンネルでのお話。
その日トンネル内は空いていたのですが、背後からすごいスピードで迫る車が。危ないな、と家族で話していたら、その車がいきなりうちの車を追い抜きました。
青い車で、たぶん女の人が運転していたのですが、驚く私達を尻目にトンネルを出たところでふっと消えたんです。真っ昼間に。
あれは一体何だったのか、未だに分かりません…』
3. 曾祖母の妹
『幽霊はでてきませんが、怖い話だけで終わるのもなんなので…
幼い頃にかわいがってくれた曽祖母の妹さんのお墓が、県境近くにあるのです。子供の頃は盆や彼岸の度に行っていたのですが、大きくなってからは忙しく、長く不義理をしていました。
ずっと気になっていたので思い立ち、ある日一人で墓参りに出掛けました。一人で参るのは初めてで、不思議な気分でしたが無事に終えて帰路につきました。
ただ、気づくと来た道と違う場所を走っています。私は方向音痴なので、迷ってしまったようでした(行きは大丈夫だった)。戻ろうと思うのに、どんどん山奥の知らない場所へと入っていきます。
もうだめかもしれない、と半泣きで路肩に車を止めた時、窓の外を見たらさっき離れたばかりのお墓がありました。
あれ?と周りを見回したら、さっきまでとまるで違う、見覚えのある光景が広がっていました。
一体何が起きたのか、これも未だに分かっていません(二度目はちゃんと帰宅できた)。
でも、曽祖母の妹さんが迷った私を墓まで戻してくれたのか、もう一度会いたくて呼び戻したのか、のどちらかだと思っています。
生前かわいがってくれた人は、亡くなっても守ってくれるのだなと思った体験でした。』
七月二十六日が幽霊の日だと聞き、なんとなく思い出した実話怪談と不思議な話をぽつぽつと投稿したのを覚えている。三つともそれほど閲覧数は多くなかった。いつものように身近な方々に読んでもらって反応をいただいた、至って普通のポストだった。
ちなみに、ポストしたあとフォロワー数が五人くらい減った。フィクションのホラーは読みたくても、実話は読みたくないものなんだな……と反省。すみませんでした。