親愛なるオリヴィアへ

 この手紙はわたし、キャロライン・ルルイエの祈りで、決意表明で、もしかしたら遺書になるかもしれない。
 もしもわたしがこのままいなくなったら、寮に置いていった若草物語の本はオリヴィアがもらってちょうだい。

 この手紙を投函したら、わたしとルイーザはおじいちゃまの救出に向かうわ。
 魚人の巫女の隠れ家に、わたしとルイーザの二人だけで乗り込むの。

 びっくりでしょ?
 遺書とか言いたくなるのもわかるでしょ?
 もちろんこれで死んじゃっておしまいなんかにはなりたくないけどーー

 そうね、こうなってほしいっていう、この冒険のおしまいの仕方はーー
 まずサン・ジェルマンおじいちゃまを助け出して、それから悪い人たちのことを警察に知らせるの。
 逆になるのはダメよ。
 先に警察に知らせてもわかってもらえるとは思えないもの。

 おじいちゃまを助けて、四人でイギリスへ帰って、アデリン叔母さまをお医者さまに見せてーー
 叔母さまはきっとすぐに良くなるわ。
 最近はロボトミーっていうすごい治療法もあるって聞くし。

 ルイーザとおじいちゃまは幸せに暮らすの。
 それが祖父と孫としてなのか夫婦としてなのかはわたしにはわからないけれど。
 幸せであってほしい。
 みんなみんな幸せであってほしい。

 そしてわたしはお茶をしながら今日のことをオリヴィアと話すの。
 それがわたしの望む幸せよ。
 そうなるように、どうか祈って。

キャロラインより