そう思っていたのに、次の日から何事もなかったように起きてきて、両親ともいつも通り会話をして過ごし、私にも笑顔を向けてくれる。



とにかく戸惑いながらも、いつも通り接していたけど、いつあの重い空気を醸し出すか怖くなる。





そんな不安や恐怖も、跡形もないように忘れ去られ、一ヶ月後に旦那様が夕食の前にと私の前にかしこまって座った。





「明日の日暮れ、家を空けても構わないだろうか。その次の夕闇には戻る」


「この間の…」


「あぁ。どうしても出なければいけない」





分かりましたと素直に言えない。


何故だろう。一ヶ月前の距離を置かれた寂しさを思い出すと、首が縦に動かない。