「何故です?皆で食べた方が美味しいのに」
「お昼ぐらいは、二人だけで話すのよ。そうやって仲を深めていかないと。荘司さん、ごめんなさい。あなたと柚葉のご飯は隣の部屋に運ぶから、そちらへ行ってくださるかしら?」
「あぁ、もちろんです」
旦那様も、少しは躊躇う素振りを見せたらどうでしょう。
わざわざ二人にしてもらわなくても、寝る時は旦那様と同じ部屋だし、そこでお話しはできる。
旦那様も寡黙な方だから、二人でご飯を食べたところで、仲が深まるとは思えません。
とはいえ、お母様に断りをいれても聞かないふりをされて、強引に隣の部屋にご飯を置かれると、ピシャッと襖を閉められてしまったので、仕方ない。
「…頂きましょうか」
「今日のご飯は、柚葉が作ってくれたんだな」
「そうです。お口に合うか分かりませんが」
「いただきます」