医師に最終結果を伝えられ、手術日も決定してから色々と真理達なりに準備をしてきた。
信也の提案にてリストノートに書き込んだことを、少しずつやりながら…
そして…入院当日。
手術日、前日の朝一の8時30分に来院し、入院の受付けを終え病室へと入った。
もちろん信也も仕事は休みを取り、付き添ってきた。
今回は一人部屋だ。
手術前は精神的にもリラックスして体調を整える必要もある為、一人部屋が必須なのだ。
病室へ入り荷物を片付け着替えをし、ベットで休みながら信也と話をしていると、いつもの医師が看護師と一緒に入ってきた。
「気分はどうですか?仮屋崎さん…あれから何か気になることや変わったことはないですか?」
医師は尋ねるように真理の状態の確認をしてきた。
「脚の浮腫は相変わらずですけど…下腹部の痛みはだいぶ落ち着いてます…たまにチクチクするくらいで…」
「うん…顔色も悪くないようだね…食欲はどうですか?」
「あぁ~…前に比べれば少し減った感じですけど…それなりには食べれてます…」
「ん~~…さっき病室に入る前に体重測ってもらったけど…少し減ってるね…」
一緒に入ってきた看護師が持参していたカルテのようなものを見ながら、医師は独り言のように言った。
その様子を見ていた信也が、心配そうに尋ねてきた。
「あの…それは何か手術に影響とかは…大丈夫なんでしょうか?…」
「あぁ~、あからさまにごっそり減ってるわけでもないし…2キロくらいだしね…体力のほうもまだ衰えてないようだし…大丈夫ですよ、手術には支障はありませんよ」
手術をする当の本人より不安そうな表情をしている信也に、医師は宥めるように優しい口調で答えた。
「もぉ~…私より旦那のほうが緊張しちゃってて…」
「そうですよ、旦那さん…手術前は特にナイーブになりがちで、精神的にもリラックスして体調を整えてもらわなきゃいけないんですから…周りがそんなに不安がってると、本人にも影響がでますからね…」
「あっ…すいません…」
医師から少しキツい言葉で注意された信也は、シュン…となった表情で恥ずかしそうに下を向いた。
「明日のためにも今日はゆっくり体を休めて、体調を整えて…余計なことは考えずに…ね…」
「はい…」
「では…明日、もう一度顔出しますので…」
そう言うと医師は病室を退室した。
残った看護師がバイタルチェックと簡単な明日の説明をし、退室して行った。
その後は信也が色々な話をし、少しでも真理の気を紛らわせようとしていたがお昼になり、信也は食事をしに一度病院を出た。
真理も運ばれてきた食事を取り、ベットに横になり休んでいた。
そして…いつの間にか眠っていたらしく、気がつくと信也がベット横の椅子に座り雑誌を読んでいた。
「あっ…まーちゃん、起きた?」
「うん…しん君、いつの間に帰ってきてたの?」
「ん?…えぇ~と、20分くらい前かなぁ?」
腕時計をチラッと見ながら信也は答えた。
「今日は面会ギリまでそばにいるから…明日も休みとってるから朝一で来るからね…」
「ぅん…ありがと…でも、無理しないでね…」
「なんで無理だと思うんだよ…俺がまーちゃんのそばにいたいんだから、いいんだよ…」
少し意地毛たような口調で、信也は言った。
「わかった…ごめんね、ありがとう…」
目を細めてクスッ…と笑いながら、真理は言った。
それから二人はリストノートに書いた内容の話や、退院したら行きたい場所、やりたい事などの話を色々とした。
あれもこれもと言いだすときりがなかったが、楽しそうに話をする真理を愛おしそうに見つめながら、信也も笑顔で対応した。
そんな二人の元へ、看護師が声をかけてきた。
「仮屋崎さん、もうすぐ夕食の時間ですからね…あっ…ご家族の方はそろそろ、面会時間終わりますよ」
そう言うと看護師は信也に向かって軽く会釈して立ち去った。
「もうそんな時間かぁ…しょうがない、今日は帰るか…まーちゃんも食事の時間みたいだし…」
腕時計を見ながら信也は独り言のように言った。
「しん君は夕食どうすんの?大丈夫?何か買い物して帰るの?」
「あぁ~、今日は母さんと食事行く約束してるから…まーちゃんが居ない間は母さんが食事は作ってくれるって、言ってくれてるし…大丈夫だよ…」
「そっか…よかった…じゃぁ、お義母さんにも宜しく伝えといてね」
「ぉう…わかった…んじゃ、今日は帰るな…明日、また来るから…余計なこと考えずに、明日のためにゆっくり寝ろよ…」
そう言うと信也は真理の頭を優しく、ポンポン…と撫でた。
「もぅ…子供みたいに…ありがと…」
久しぶりの信也の頭ポンポンを、嬉しく思いながらも少し恥ずかしそうに真理は言った。
そんな真理の姿を察してか、信也は意地悪っぽく笑いながらもう一度、ポンポン…と撫でた。
そして、「じゃぁな…」と言うと、手を振りながら病室を出て行った。
それをベット脇に座り見送りながら、真理も手を振り返した。
…信也が帰ったあと、何故か急に寂しさを感じる真理だった。
この世に一人ぼっちにされたような、置き去りにされたような、ギュッ…と胸を締めつけられたようになんだか苦しく切なく感じた。
余計なことは考えず、明日のために体調を整えなければ…
リラックス…リラックス…
ベットに横になり目を閉じ、深呼吸をしながら頭の中で何度も自分に言い聞かせ、落ち着かせた。
だが、落ち着こうと思いながらも色々なことを考えてしまう…
子宮なくなっちゃうんだよなぁ…
子供、産みたかったなぁ…
そういえば、あれからしん君、子供の話しなくなったなぁ…
もしかしたら結構、気を使わしてるのかなぁ…
パパもママもお義母さんも、孫ができるの楽しみにしてただろうに、申し訳ないなぁ…
ついついメガティブなことを考えてしまう。
駄目だと思いながらも、つい…
「駄目だ…マイナスなことばっかり考えちゃ…そうだ…楽しかったことや幸せなこと考えよう…」
そう自分に言い聞かせるように真理は言うと、今までの信也との生活や両親との思い出など、色々と記憶の引き出しを開け始めた。
信也との初デートのこと…
初デートなのに相変わらず朝の苦手なしん君は、寝坊して1時間近く遅刻してきたなぁ…
あの時、しん君すんごい慌てた様子で、可愛かったなぁ…
その時のことを思い出しながら、真理は懐かしそうに笑った。
そういえばその時、「嫌いにならないでください…」て言いながら、必死で謝ってきたよなぁ…
その日帰ってからパパとママにその話したら、「そんな時間も守れん男とはさっさと別れろ!」てパパに言われたっけ?…
パパ、時間守れない人、嫌いだもんねぇ…
そんなパパを宥めて説得するの、大変だったけ…
でも結局はママに色々言われて、シューンてなってたよなぁ…
「ほんと…パパってばママに弱いんだよねぇ…w」
またもや思い出し笑いをしながら、真理はポツリ…と呟いた。
そこへ夕飯の配膳のため、看護師が食事を持って病室へ入ってきた。
「仮屋崎さん、夕食ですよ…こちらに置いときますね」
ベッド横にあるテーブルに食事を置くと、看護師は忙しそうにそそくさと出て行った。
看護師が退室すると真理は配膳された夕食を食べ、とりあえず気をまぎらわすために携帯をいじり始めた。
するとそこへ信也からLINEが入った。
〜まーちゃん、何してる?〜
たったそれだけの短いLINEだったが、真理にとっては嬉しい一言だった。
〜夕飯終わって、ゆっくりしてるよ〜
〜そっか…メニュー、なんだった?〜
〜煮物系かなぁ…あとデザートにみかんのゼリーがあったよ〜
〜お腹いっぱいになった?〜
〜そんなに食欲もないから、ちょうどいいくらいだよ〜
目の前に居なくても、信也と会話をしている感じが真理にとってほんとに嬉しかった。
ピコン♪〜
少し受信の間が空いたと思ったら、信也から写メが送られてきた。
〜母さんと食事にきました〜
ファミレスらしきテーブルで、輝美と信也のツーショット写真を写したものだった。
〜今度は一緒に来ようねぇ〜
その後は信也達は食事を始めたのか、受信はそれを最後に終わった。
真理は携帯を枕元に置くと、ゆっくりとベッドに横になり体を休めた。
一緒に居なくても自分のことをいつも思って、気にかけてくれる優しい夫がいるということを心底嬉しく、そして感謝しながら…
信也の提案にてリストノートに書き込んだことを、少しずつやりながら…
そして…入院当日。
手術日、前日の朝一の8時30分に来院し、入院の受付けを終え病室へと入った。
もちろん信也も仕事は休みを取り、付き添ってきた。
今回は一人部屋だ。
手術前は精神的にもリラックスして体調を整える必要もある為、一人部屋が必須なのだ。
病室へ入り荷物を片付け着替えをし、ベットで休みながら信也と話をしていると、いつもの医師が看護師と一緒に入ってきた。
「気分はどうですか?仮屋崎さん…あれから何か気になることや変わったことはないですか?」
医師は尋ねるように真理の状態の確認をしてきた。
「脚の浮腫は相変わらずですけど…下腹部の痛みはだいぶ落ち着いてます…たまにチクチクするくらいで…」
「うん…顔色も悪くないようだね…食欲はどうですか?」
「あぁ~…前に比べれば少し減った感じですけど…それなりには食べれてます…」
「ん~~…さっき病室に入る前に体重測ってもらったけど…少し減ってるね…」
一緒に入ってきた看護師が持参していたカルテのようなものを見ながら、医師は独り言のように言った。
その様子を見ていた信也が、心配そうに尋ねてきた。
「あの…それは何か手術に影響とかは…大丈夫なんでしょうか?…」
「あぁ~、あからさまにごっそり減ってるわけでもないし…2キロくらいだしね…体力のほうもまだ衰えてないようだし…大丈夫ですよ、手術には支障はありませんよ」
手術をする当の本人より不安そうな表情をしている信也に、医師は宥めるように優しい口調で答えた。
「もぉ~…私より旦那のほうが緊張しちゃってて…」
「そうですよ、旦那さん…手術前は特にナイーブになりがちで、精神的にもリラックスして体調を整えてもらわなきゃいけないんですから…周りがそんなに不安がってると、本人にも影響がでますからね…」
「あっ…すいません…」
医師から少しキツい言葉で注意された信也は、シュン…となった表情で恥ずかしそうに下を向いた。
「明日のためにも今日はゆっくり体を休めて、体調を整えて…余計なことは考えずに…ね…」
「はい…」
「では…明日、もう一度顔出しますので…」
そう言うと医師は病室を退室した。
残った看護師がバイタルチェックと簡単な明日の説明をし、退室して行った。
その後は信也が色々な話をし、少しでも真理の気を紛らわせようとしていたがお昼になり、信也は食事をしに一度病院を出た。
真理も運ばれてきた食事を取り、ベットに横になり休んでいた。
そして…いつの間にか眠っていたらしく、気がつくと信也がベット横の椅子に座り雑誌を読んでいた。
「あっ…まーちゃん、起きた?」
「うん…しん君、いつの間に帰ってきてたの?」
「ん?…えぇ~と、20分くらい前かなぁ?」
腕時計をチラッと見ながら信也は答えた。
「今日は面会ギリまでそばにいるから…明日も休みとってるから朝一で来るからね…」
「ぅん…ありがと…でも、無理しないでね…」
「なんで無理だと思うんだよ…俺がまーちゃんのそばにいたいんだから、いいんだよ…」
少し意地毛たような口調で、信也は言った。
「わかった…ごめんね、ありがとう…」
目を細めてクスッ…と笑いながら、真理は言った。
それから二人はリストノートに書いた内容の話や、退院したら行きたい場所、やりたい事などの話を色々とした。
あれもこれもと言いだすときりがなかったが、楽しそうに話をする真理を愛おしそうに見つめながら、信也も笑顔で対応した。
そんな二人の元へ、看護師が声をかけてきた。
「仮屋崎さん、もうすぐ夕食の時間ですからね…あっ…ご家族の方はそろそろ、面会時間終わりますよ」
そう言うと看護師は信也に向かって軽く会釈して立ち去った。
「もうそんな時間かぁ…しょうがない、今日は帰るか…まーちゃんも食事の時間みたいだし…」
腕時計を見ながら信也は独り言のように言った。
「しん君は夕食どうすんの?大丈夫?何か買い物して帰るの?」
「あぁ~、今日は母さんと食事行く約束してるから…まーちゃんが居ない間は母さんが食事は作ってくれるって、言ってくれてるし…大丈夫だよ…」
「そっか…よかった…じゃぁ、お義母さんにも宜しく伝えといてね」
「ぉう…わかった…んじゃ、今日は帰るな…明日、また来るから…余計なこと考えずに、明日のためにゆっくり寝ろよ…」
そう言うと信也は真理の頭を優しく、ポンポン…と撫でた。
「もぅ…子供みたいに…ありがと…」
久しぶりの信也の頭ポンポンを、嬉しく思いながらも少し恥ずかしそうに真理は言った。
そんな真理の姿を察してか、信也は意地悪っぽく笑いながらもう一度、ポンポン…と撫でた。
そして、「じゃぁな…」と言うと、手を振りながら病室を出て行った。
それをベット脇に座り見送りながら、真理も手を振り返した。
…信也が帰ったあと、何故か急に寂しさを感じる真理だった。
この世に一人ぼっちにされたような、置き去りにされたような、ギュッ…と胸を締めつけられたようになんだか苦しく切なく感じた。
余計なことは考えず、明日のために体調を整えなければ…
リラックス…リラックス…
ベットに横になり目を閉じ、深呼吸をしながら頭の中で何度も自分に言い聞かせ、落ち着かせた。
だが、落ち着こうと思いながらも色々なことを考えてしまう…
子宮なくなっちゃうんだよなぁ…
子供、産みたかったなぁ…
そういえば、あれからしん君、子供の話しなくなったなぁ…
もしかしたら結構、気を使わしてるのかなぁ…
パパもママもお義母さんも、孫ができるの楽しみにしてただろうに、申し訳ないなぁ…
ついついメガティブなことを考えてしまう。
駄目だと思いながらも、つい…
「駄目だ…マイナスなことばっかり考えちゃ…そうだ…楽しかったことや幸せなこと考えよう…」
そう自分に言い聞かせるように真理は言うと、今までの信也との生活や両親との思い出など、色々と記憶の引き出しを開け始めた。
信也との初デートのこと…
初デートなのに相変わらず朝の苦手なしん君は、寝坊して1時間近く遅刻してきたなぁ…
あの時、しん君すんごい慌てた様子で、可愛かったなぁ…
その時のことを思い出しながら、真理は懐かしそうに笑った。
そういえばその時、「嫌いにならないでください…」て言いながら、必死で謝ってきたよなぁ…
その日帰ってからパパとママにその話したら、「そんな時間も守れん男とはさっさと別れろ!」てパパに言われたっけ?…
パパ、時間守れない人、嫌いだもんねぇ…
そんなパパを宥めて説得するの、大変だったけ…
でも結局はママに色々言われて、シューンてなってたよなぁ…
「ほんと…パパってばママに弱いんだよねぇ…w」
またもや思い出し笑いをしながら、真理はポツリ…と呟いた。
そこへ夕飯の配膳のため、看護師が食事を持って病室へ入ってきた。
「仮屋崎さん、夕食ですよ…こちらに置いときますね」
ベッド横にあるテーブルに食事を置くと、看護師は忙しそうにそそくさと出て行った。
看護師が退室すると真理は配膳された夕食を食べ、とりあえず気をまぎらわすために携帯をいじり始めた。
するとそこへ信也からLINEが入った。
〜まーちゃん、何してる?〜
たったそれだけの短いLINEだったが、真理にとっては嬉しい一言だった。
〜夕飯終わって、ゆっくりしてるよ〜
〜そっか…メニュー、なんだった?〜
〜煮物系かなぁ…あとデザートにみかんのゼリーがあったよ〜
〜お腹いっぱいになった?〜
〜そんなに食欲もないから、ちょうどいいくらいだよ〜
目の前に居なくても、信也と会話をしている感じが真理にとってほんとに嬉しかった。
ピコン♪〜
少し受信の間が空いたと思ったら、信也から写メが送られてきた。
〜母さんと食事にきました〜
ファミレスらしきテーブルで、輝美と信也のツーショット写真を写したものだった。
〜今度は一緒に来ようねぇ〜
その後は信也達は食事を始めたのか、受信はそれを最後に終わった。
真理は携帯を枕元に置くと、ゆっくりとベッドに横になり体を休めた。
一緒に居なくても自分のことをいつも思って、気にかけてくれる優しい夫がいるということを心底嬉しく、そして感謝しながら…
