テーブルに寝かされた俺。モコモコは最初、俺と初めて接触した時みたいに、クンクン俺の匂いを嗅いだ後、再びその可愛い手を、俺の手の上に乗せてくれた。あ~、そうそう、この感覚。肉球って気持ちいいんだよなぁ。
なんて思っていると、今度は俺の顔のところまでモコモコが歩いてきてくれて。モコモコの毛でよく見えないけれど、じっとしっかり見ていたら、小さな手足で母さんが言った通り、ちょこちょこ歩いているのが見えた。
あの小さい足でちょこちょこ。これが可愛くないわけがない。俺の顔は俺がそうしなくても、勝手にニンマリしてしまい。
そしてちょこちょこ歩いてきてくれた後は、逆を向いて、あのモコモコしっぽでを振ってくれた。母さんによると、しっぽを振るのはモコモコ達の挨拶らしい。モコモコ本人達はもちろん、種族が違っても、気に入った相手にならしてくれる挨拶だと。
他にも挨拶の仕方はあるらしいが、今回はこの挨拶だったみたいだ。と、挨拶の種類は良いとして。挨拶をしてくれたという事は、このモコモコは俺を認めてくれたのか?
それならどんなに嬉しいか。本当は挨拶を返したいけど、でも今の俺にはできないからな。とりあえず分からなくても、言葉で伝えてみるか。
「ばう!! ににょ!!」
今のは、初めまして、こんにちは、って言ったんだ。するとモコモコは今までよりももっと、小さいしっぽをピコピコ振ってくれて。ああ、本当になんで俺は赤ん坊なんだ。今すぐ抱きしめたいのに!!
しばらくしっぽを振ってくれていたモコモコ。しっぽを振り終えると、今度は俺の顔にスリスリしてくれて。そのまま、たぶん伏せ? をしたと思うんだけど、伏せをして、俺に寄り添ってくれた。
『これは……、様子を見ると言いましたが、問題なさそうですね』
『ええ、そうね。2人が最初からこんなに、仲良さそうにしているのは嬉しいのだけど。普通こんなに最初から懐くかしらね』
『私も見たことがありません。ですが、こればかりは。モコモコと家族になれるのは、本当に運命みたいなものですから。今回はよほど2人の相性が良かったのでしょう』
うんうん、俺達は相性バッチリだよな!! 父さんや母さんの話だと、家族になれるみたいだけど。このままこのモコモコを連れて帰れるのかな? それとも何かやらないといけないことがあるのか。俺としてはそのまま、一緒に帰りたいんだけど。
それにまだ俺も、父さん達の家が、どんな家か分からないし。俺が家に慣れてから、っていうのもあるかもしれないしなぁ。う~ん。
そんなことを考えながら、寄り添ってくれたモコモコに、なんとか手を伸ばして、頭を撫でようとする俺。でも上手くそれができなくて、気づいた母さんが俺の手を取ってくれて、一緒にそっとモコモコを撫でさせてくれた。
うおぉぉぉ!! なんだこのモコモコ感!! いや、もふもふ感か? 寝具でもかなり感動したけれど、それの比じゃなく。この世にこんな気持ちの良い、生き物がいるんんて!!
「うにゃ!! うにょお!!」
今のは別にしゃべったんじゃなくて、喜びの叫びだ。そして俺の叫びを聞いて、モコモコも一緒に鳴いてくれた。
『ぷぴぃ!!』
『ぷぅ!』
ん? 今俺に寄り添ってくれているモコモコじゃなくて、他の鳴き声が聞こえたような? 俺は試しにもう1度叫んでみた。
「うにょお!!」
するとモコモコが。
『ぷぴぃ!!』
と叫んでくれて。
『ぷぅ!』
やっぱり別のモコモコの鳴き声がした!! 俺は周りを確認する。すると母さんとお店の人が同じ方向を見ていて。たぶん母さん達も鳴き声に気づいて、鳴き声が聞こえた方を見たんだろう。
そしてそれは俺の所にいるモコモコも同じで、母さん達と同じ方向を見ていたんだけど。何とかモコモコの表情を見れば。
まぁ、なんとも言えない顔をしていた。こう、嫌そうな、なんで鳴いてるんだよと、文句を言っているような、そんな表情をしていたんだ。
いやいや、待てよ。本当に嫌な顔をしているのか? 俺がそう思っているだけで、もしかしたらこれがモコモコの嬉しい時の表情かもしれないし。でも俺が見た限りでは、文句を言っている表情にしか見えないけど。ああ、可愛い顔が……。
と、残念な顔も気になるけど、今は別のモコモコだ。どこの子が鳴いたんだろう?
『お前、どうやって出てきたんだ。確かに今回、生まれてきた中では1番小さくて、これだけ小さいモコモコを、私も見たのは初めてだったが。ギリギリで柵は抜けられないようにしていたのに』
『あら、この子も今回、生まれた子なのね。ずいぶん小さいのね』
『そうなんです。最後に生まれた子なんですが、通常のモコモコの半分の大きさしかなくて。生まれてすぐ、この子はすぐに亡くなってしまうだろうと思っていたのですが』
『あら、そんなに』
『はい。しかし生まれてからこれだけ経てば、安全だという時期まで生きることができ。ただ他の子よりも怖がりで、いつも藁の束の後ろに隠れたり、他の子達の間に隠れていたんです。こんなに出てきたのは初めてですね』
『そうなのね。そうね……』
母さんは何かを考えた後、急に俺の目の前から消えて。俺からは見えないけど、たぶんしゃがんだんだろう。下から母さんの声が聞こえてきたからな。
『こんにちは。こっちに来たいの? さぁ、いらっしゃい。大丈夫よ、ここに怖い人も、物もないわ』
母さんがモコモコを呼んだ。そして俺の所のモコモコは、相変わらず嫌そうな顔をしている。
『そうよ、ゆっくりで良いわ。ふふ、来てくれてありがとう』
どうやら母さんの所へ、小さいモコモコが来てくれたみたいだ。と、すぐに母さんの姿が見えて。母さんは自分のお腹くらいの位置に、自分の手を合わせていたんだけど、そこには……。
今、俺の側に居てくれるモコモコの、半分くらいのモコモコが乗っていた。
なんて思っていると、今度は俺の顔のところまでモコモコが歩いてきてくれて。モコモコの毛でよく見えないけれど、じっとしっかり見ていたら、小さな手足で母さんが言った通り、ちょこちょこ歩いているのが見えた。
あの小さい足でちょこちょこ。これが可愛くないわけがない。俺の顔は俺がそうしなくても、勝手にニンマリしてしまい。
そしてちょこちょこ歩いてきてくれた後は、逆を向いて、あのモコモコしっぽでを振ってくれた。母さんによると、しっぽを振るのはモコモコ達の挨拶らしい。モコモコ本人達はもちろん、種族が違っても、気に入った相手にならしてくれる挨拶だと。
他にも挨拶の仕方はあるらしいが、今回はこの挨拶だったみたいだ。と、挨拶の種類は良いとして。挨拶をしてくれたという事は、このモコモコは俺を認めてくれたのか?
それならどんなに嬉しいか。本当は挨拶を返したいけど、でも今の俺にはできないからな。とりあえず分からなくても、言葉で伝えてみるか。
「ばう!! ににょ!!」
今のは、初めまして、こんにちは、って言ったんだ。するとモコモコは今までよりももっと、小さいしっぽをピコピコ振ってくれて。ああ、本当になんで俺は赤ん坊なんだ。今すぐ抱きしめたいのに!!
しばらくしっぽを振ってくれていたモコモコ。しっぽを振り終えると、今度は俺の顔にスリスリしてくれて。そのまま、たぶん伏せ? をしたと思うんだけど、伏せをして、俺に寄り添ってくれた。
『これは……、様子を見ると言いましたが、問題なさそうですね』
『ええ、そうね。2人が最初からこんなに、仲良さそうにしているのは嬉しいのだけど。普通こんなに最初から懐くかしらね』
『私も見たことがありません。ですが、こればかりは。モコモコと家族になれるのは、本当に運命みたいなものですから。今回はよほど2人の相性が良かったのでしょう』
うんうん、俺達は相性バッチリだよな!! 父さんや母さんの話だと、家族になれるみたいだけど。このままこのモコモコを連れて帰れるのかな? それとも何かやらないといけないことがあるのか。俺としてはそのまま、一緒に帰りたいんだけど。
それにまだ俺も、父さん達の家が、どんな家か分からないし。俺が家に慣れてから、っていうのもあるかもしれないしなぁ。う~ん。
そんなことを考えながら、寄り添ってくれたモコモコに、なんとか手を伸ばして、頭を撫でようとする俺。でも上手くそれができなくて、気づいた母さんが俺の手を取ってくれて、一緒にそっとモコモコを撫でさせてくれた。
うおぉぉぉ!! なんだこのモコモコ感!! いや、もふもふ感か? 寝具でもかなり感動したけれど、それの比じゃなく。この世にこんな気持ちの良い、生き物がいるんんて!!
「うにゃ!! うにょお!!」
今のは別にしゃべったんじゃなくて、喜びの叫びだ。そして俺の叫びを聞いて、モコモコも一緒に鳴いてくれた。
『ぷぴぃ!!』
『ぷぅ!』
ん? 今俺に寄り添ってくれているモコモコじゃなくて、他の鳴き声が聞こえたような? 俺は試しにもう1度叫んでみた。
「うにょお!!」
するとモコモコが。
『ぷぴぃ!!』
と叫んでくれて。
『ぷぅ!』
やっぱり別のモコモコの鳴き声がした!! 俺は周りを確認する。すると母さんとお店の人が同じ方向を見ていて。たぶん母さん達も鳴き声に気づいて、鳴き声が聞こえた方を見たんだろう。
そしてそれは俺の所にいるモコモコも同じで、母さん達と同じ方向を見ていたんだけど。何とかモコモコの表情を見れば。
まぁ、なんとも言えない顔をしていた。こう、嫌そうな、なんで鳴いてるんだよと、文句を言っているような、そんな表情をしていたんだ。
いやいや、待てよ。本当に嫌な顔をしているのか? 俺がそう思っているだけで、もしかしたらこれがモコモコの嬉しい時の表情かもしれないし。でも俺が見た限りでは、文句を言っている表情にしか見えないけど。ああ、可愛い顔が……。
と、残念な顔も気になるけど、今は別のモコモコだ。どこの子が鳴いたんだろう?
『お前、どうやって出てきたんだ。確かに今回、生まれてきた中では1番小さくて、これだけ小さいモコモコを、私も見たのは初めてだったが。ギリギリで柵は抜けられないようにしていたのに』
『あら、この子も今回、生まれた子なのね。ずいぶん小さいのね』
『そうなんです。最後に生まれた子なんですが、通常のモコモコの半分の大きさしかなくて。生まれてすぐ、この子はすぐに亡くなってしまうだろうと思っていたのですが』
『あら、そんなに』
『はい。しかし生まれてからこれだけ経てば、安全だという時期まで生きることができ。ただ他の子よりも怖がりで、いつも藁の束の後ろに隠れたり、他の子達の間に隠れていたんです。こんなに出てきたのは初めてですね』
『そうなのね。そうね……』
母さんは何かを考えた後、急に俺の目の前から消えて。俺からは見えないけど、たぶんしゃがんだんだろう。下から母さんの声が聞こえてきたからな。
『こんにちは。こっちに来たいの? さぁ、いらっしゃい。大丈夫よ、ここに怖い人も、物もないわ』
母さんがモコモコを呼んだ。そして俺の所のモコモコは、相変わらず嫌そうな顔をしている。
『そうよ、ゆっくりで良いわ。ふふ、来てくれてありがとう』
どうやら母さんの所へ、小さいモコモコが来てくれたみたいだ。と、すぐに母さんの姿が見えて。母さんは自分のお腹くらいの位置に、自分の手を合わせていたんだけど、そこには……。
今、俺の側に居てくれるモコモコの、半分くらいのモコモコが乗っていた。