昨日の藍との行為を思い出すと、浮き足だつ気持ちが抑えられないけれど、彼氏との惚気話を自分からぺらぺらと話し始めるのは、まあ性に合わない。


 けれど、あたしが少し嬉しそうなのを真昼なんかは気づいていて、放課後になってから、「藍くんとうまくいってるんでしょ」だなんて話しかけてくる真昼は、やっぱりあたしの友達なんだと思う。


 昨日一緒に過ごせたから、とひとことだけ伝えると、真昼は良かったね、と嬉しそうにした。


 社交辞令的に、真昼の彼氏について尋ねてみると、真昼の彼氏は塾だの予備校だので忙しいらしく、最近はなかなかデートができていないのだと、不満そうにこぼした。


 スマホで時計を見る。さっきから、全然進まない時計ばかりを見てしまう。


 今日も藍は、実行委員の部門会議、とかなんとかで、ミーティングをしているらしい。


 陽世によると、実行委員の委員長と副委員長は、部門会議みたいな小規模のミーティングでも必ず出席しなければならないらしい。体育祭実行委員の委員長である藍は、例外なく今日のミーティングにも出席する義務があるみたいだ。


 しかも今日のミーティングは、内容的に時間がかかりそうらしく、藍の方は、あまり遅くなりそうだったら、「暗くなったら危ないから遠慮せず帰ってね」だなんて優しいメッセージまで送りつけてきた始末だ。


 一応、17:30くらいまでは待とうと決めて、こうやって時間が過ぎるのを待とうとはしていたけれど、

 結局はこうやって、暇を持て余す真昼とつらつらとくだらないことばかり話してしまって、そんな時間も楽しくはあるけれど、時間の無駄だなあ、とも考えてしまう腹黒いあたしもいる。