「うん」
俺の告白に対して、正晴はそう言っただけだった。
しかし、その顔を見ればわかる。どれだけ喜んでくれているのかなんて。
俺のことを一番心配して、一番応援して、いつだって味方になってくれる。いつか正晴にもお返ししなくちゃな、と思った。
「……なーにニヤニヤしてんの。気持ち悪い」
つい顔がニヤけていたらしい。正晴は怪訝な顔をしてこっちを見ている。そういえばのぞみにも似たようなこと言われたな、と思った。
「気持ち悪いとか言うな。ちょっと考え事してただけだ」
「エロいこと?」
「っ……お前、俺がその手の話好かないの知ってんだろ!」
「わ・ざ・と。とゆうか、本当にピュアだねぇ」
「うっせぇ、ほっとけ」
俺が不貞腐れたように言うと、くすくすと正晴が笑う。つられて俺も笑ってしまった。
夕焼け空が優しく俺たちを包んでいく。
大きな転機となる一日はこうして終わっていった。