「冬、明後日の午後って暇?」

少しの沈黙のあと、正晴が口を開いた。俺のオシャレへの興味のなさをよく知っているため、諦めたのだろう。その証拠に、声に諦めの色が混ざっている。

「5時からなら空いてるけど」
「じゃあ、うち来て。俺の服貸すから。異論は認めない」
「……はい」

正晴の言葉により、強制的に服を貸してもらうことになった。あいつはセンスいいし、正直助かるが、強制されると若干怖い。なにかお礼を考えておこう。


「あとは明後日会ったら話すのでいい? 俺んち今から夜ご飯だから」
「ああ。じゃ、また明後日」
「うん。またね」

そんな会話の後、電話を切った。


デート本番まであと5日。

いろいろと迷うし、緊張するが、待ち遠しくもあった。