「でも、真白たちは…」

「大丈夫。近くにいるみたいだから。そうだよね?鵺」

「あぁ」

後ろから鵺の声がした。

「さっき鵺が、ここから出る方法があるって言ってたから、もう大丈夫だよ」

「そうですか…」

春香は安心して、再び目を閉じた。

「ここを真っ直ぐ行けば着くんだったな」

渚が鵺に言った。

「そうだ。このまま真っ直ぐ進めばいい」

湊たちは真っ直ぐ道を進んだ。


「ここだ」

着いたところは、祠がある場所だった。

「ここの祠から現世に繋がっている」

鵺はそう言って、手をかざした。

その時、一羽の烏も飛んできた。

「この烏は、要の式神か?」

慧が言うと、後から要たちが走ってきた。


真白たちは出口を探していた。

「近くに要の式神の気配がする。近くにいるんだ」

紫音が言った。

「じゃあ、そこに行けば要がいるの?」

「多分。行ってみよう」


「…!白虎の気配ががする。羅衣が近くにいるのかも」

若葉が言った。

「本当だ!」

「そうじゃあ、急ぎましょう」


「着いた…」

真白たちは、祠があるところまでたどり着いた。

「羅衣!やっと見つけた!」

「日和…?よかった」

全員が祠に集まることができた。

「…!道が、塞がれているな」

鵺が手をかざしながら言った。

「誰かが術で邪魔してるんだ」

「どうしよう…」

その時、紫音が持っていたお守りが光った。

「おい。それを祠に当てろ」

「え?わ、わかった」

紫音がお守りを祠に当てると、あたりが光に包まれた。


目を開けると、晴明神社のところで目を覚ました。


「戻って、来られた…」

真白がつぶやいた。

「なんで…?」

葵が目を見開いていた。

「術が破られたようだな」

酒呑童子が言った。