「さぁ、逃げるよ」

四人は羅衣の後に続いて走った。


離れたところまでやってくると、羅衣は足を止めた。

「ここまでくれば大丈夫」

「羅衣さんはどうしてここにいるんですか?」

天音が聞いた。

「鬼の妖に術を使われたんだ。他のみんなもここにいると思うよ。…!」

「どうしたんですか?」

「この気配…」

何人かの足音が聞こえてきた。

「玄武の気配が近づいてくる」

「え?」

足音がどんどん近づいてきた。

「真白!冴島先生!」

結奈が声を上げた。

「…その人は、誰?」

花蓮が真白の後ろにいるヤマトタケルに目を向けた。

「この人は、私たちを助けてくれたの」

真白は咄嗟にそう言った。

自分のことはまだ言わないでほしいと言われたのだ。

「玄武は、一緒じゃないの?」

‘羅衣が真白たちに聞いた。

「玄武?」

「私はここにいる」

男性が姿を現した。

「玄武、あいつは一緒じゃないのか?」

「他にやることがあるらしい」

「そう…」

「それより、他のみんなを早く見つけないと。春香と要と隼人がいないの。一緒にいたはずなのに」

天音が言った。

「俺も誠たちを探してたんだ」