千年前。

皇居で一人の青年が、帝と話していた。

「お呼びでしょうか?」

「お前に頼みがある」

帝は扇子で畳をトン、と叩いた。

「私の娘をしばらくの間お前の屋敷で匿うことはできるか?」

青年は思わず頭を上げた。

「私の屋敷で、でございますか?」

帝は頷いた。

「頼めるか?」

青年は少し戸惑ったが、やがて頷いた。

「承知致しました」