君と二度目の恋をする  百鬼夜行と神儀り

生前の両親の話を聞けて少し嬉しかった。

(よかった。私、お父さんとお母さんとはあんまり話せなかったから)

真白の両親は、仕事で家を空けることが多く、あまり一緒に過ごすことが出来なかった。

「ありがとうございます。両親のこと、教えてくれて」

「どういたしまして」

にこりと千輝が笑った。

「ところで、いつになったらこの森を抜けられるんでしょう?」

「それが俺にもわからないんだ。俺も気がついたら森の中にいたから」

「それってもしかして、充さんが持っていたハンマーみたいなもののせいですか?」

真白が言うと、千輝が頷いた。

「あれは打出の小槌と言って、大黒天という神様の持ち物なんだ。まさか、それを持っている人がいたなんて…」

そこまで話して、千輝は足を止めた。

「どうしたんですか?」

真白は不思議に思って訊ねた。

「何か、いる」

頭上でバザッと大きな羽音が聞こえた。

「天狗だ」

「え?」

「どうやら、妖の世界に迷い込んだみたいだ」