君と二度目の恋をする  百鬼夜行と神儀り

「このままでは支障が出る。なんとかしないと」

コンコン、とドアがノックされた。

「兄さん、入ってもいい?」

「あぁ」

沙羅と晶が部屋に入ってきた。

「何人かいない人たちもいるけど、予定通り行うんでしょ?」

「そうだな。予定通りに行う。みんなに持ち場に行くように伝えてくれる?」

二人が部屋から出ていくと、琉晴は、椅子に座って大きく息を吐いた。

「琉晴、あいつの捜索はどうしますか?」

着物を着た男性が姿を現した。

「俺は役割があって動けない。何かあったら、知らせてくれるか?」

「承知しました」

「あいつ、一体どこに行ったんだ」


「おかしいな。いくら歩いても森を抜けられない」

真白は森の中を彷徨っていた。

「どうしよう…このままじゃ、祭りまでに間に合わない」

足が疲れてきたので、木の幹に手をついて地面に座り込んだ。

「柏木さん!」

「冴島先生…?」

千輝が走ってきた。

「よかった。無事で。赤坂くんは?」

千輝は真白に膝をついて訊ねた。

「はぐれたみたいです」

「そっか…じゃあ、一緒に探そう」

「はい」


二人は森の中を再び歩き始めた。

「君と二人で話すのは、久しぶりだね」

「そうですね」

以前千輝と真白が二人で話したのは教室だった。

「冴島先生は、私が小さい時に家に来ていたことがあるんですよね?」

「うん。学生の頃にね」

「父と母にも会っているんですよね?」

「うん。蒼葉と新羅にそっくりで驚いたよ」

懐かしむように千輝が言った。

「まさか…両親は蒼葉と新羅の生まれ変わりだったんですか?」

「本人たちに前世の記憶があるかどうかはわからなかったけど、その可能は高かったんじゃないかな」

(そうだったんだ…)

「冴島先生は、両親とはどんな風に知り合ったんですか?」

「前にも言ったけど、俺は君の両親にしばらくお世話になっていた時期がある。退魔師や術師の家に生まれた子供は、他の術師や退魔師の家でしばらく修行するという決まりがあるんだ。俺はその時に碧さんと翼さんに会ったんだ」

「そうなんですね」

「柏木さんはまだ小さかったから、俺のことは覚えてないよね」

真白は必死に思い出そうとしたが、物心がついていない頃に会っていたのか、思いだすことはできなかった。

「すみません。覚えてなくて…」

「いいんだよ。あの時の俺は、今とだいぶ性格も違ったし、覚えてなくてよかったよ」

「そうなんですか?」

「うん。いろいろあって、結構荒れてたから」

(冴島先生が?)

真白はとても想像できなかった。

「それもあって、かなり迷惑もかけたと思うんだけど、二人とも、そんな俺にも良くしてくれてたから感謝してもしきれないよ」