やがて真白たちは、京都に到着した。

「見て。紅葉、綺麗だよ」

真白は天音の声に顔を上げた。

「本当だ。綺麗だね」

綺麗に赤や黄色に染まった木々は、本当に綺麗だった。

「皆さん、こっちに集まってください」

学年主任の先生の掛け声に、生徒たちが集まった。

全員が集まったところで先生が点呼をとった。

「全員いますね。今日から三泊四日の修学旅行です。くれぐれも、事故や怪我などがないようにしてください」

その後に、他の先生達から短い話があった。

「では、皆さん、班ごとに分かれてください。集合時間までには、宿に戻ってきてくださいね」

生徒達はそれぞれの班に分かれた。

「じゃあ真白、またあとでね」

「うん。またね」

天音に手を振って、真白は自分の班を探した。

「柏木さん、こっちだよ」

同じ班の女子生徒に呼ばれた。

真白の班は六人で行動することになっている。

男子三人、女子三人だ。

赤坂(あかさか)、どこ行くんだ。俺たちはこっちだろ」

同じ班の男子生徒に連れられて、紫音がやってきた。

(紫音、本当にすごい方向音痴だな…)


「真白ちゃん達、着いたんだ」

真白達が泊まる宿には、湊の姿があった。

「今日は貸切なんだよね」

人数が多いため、修学旅行が終わるまでは、貸切にしたのだそうだ。

「いよいよ今夜は百鬼夜行と神儀りが行われる。参加者の人たちには、この提灯と、お面を渡さないとね」