「高嶺先生、これ、どうするんですか?」

紫音がダンボールを一箱持ってきた。

「それはそのままでいい。あとで校長に処分していいか聞くから」

いつの間にか旧校舎の大掃除が始まっていた。


終わる頃には夕方になっていた。


「じゃあみんな、気をつけて帰ってね」

千輝が真白たちに言って、送り出した。

「はい」

真白たちが帰った後に、慧と千輝はあの古い本を取り出した。

「それ、ほんとに司書の先生に確認するんですか?」

「俺に心当たりがある。話してみるから、千輝はあのダンボールを校長に持って行ってくれ」

「わかりました」

千輝がダンボールを持って出て行った。