要は次の日、残るように言われた者以外の退魔師や術師たちが帰ったことを聞かされた。

「急遽、予定が変更になったそうです」

要がなぜか尋ねると、そう返事が返ってきた。

「詳しいことは、琉晴様にお聞きください」


「なんて言ってた?」

部屋では隼人と紫音が待っていた。

「詳しいことは、琉晴さんに聞いてだって」

「なんだそれ。だったら最初からそいつらだけ呼べばよかっただろ」

紫音は、不機嫌そうに言った。

「とにかく、みんなのところに行った方がいい」

三人は部屋を出た。

「で、どっちにいけばいいんだ?」

紫音が要に尋ねた。

「えっと…」


屋敷が広すぎて、どう行けばいいのかわからなくなっていた。

「君たち、もしかして迷ってしまいましたか?」

隣の部屋から充が出てきた。

「はい。琉晴さんのところに行きたいんですけど…」

「なら、ご案内します。ついてきてください」


「琉晴、お客さんです」

充が要たちを琉晴の部屋の前まで連れてきた。

しかし、返事はない。

「部屋にはいないようですね。他のところを探してみましょう」



真白たちも、同じことを聞かされていた。

「じゃあ、私たちは残ってすることがあるってことなのかな?」

真白が言った。

部屋には、真白、春香、結奈、天音、花蓮の五人がいた。

「たぶん、秋にやる祭典のことじゃない?で、その時に呼ばれた人たちがここに残ってるんだよ」

花蓮の言葉に、四人は納得した。

「でも、それなら最初からその人たちだけ呼べばいいだけなんじゃない?」

天音が真白に向かって言った。

「確かにそうだよね」

結奈もそれに同意した。

「とりあえず、部屋から出て他の人たちにも聞いてみない?」

春香の言葉にみんな頷いて、部屋を出た。

「あら、おはよう。よく眠れた?」

沙羅が廊下を歩いてきた。

「おはようございます。琉晴さんはどこにいますか?」

真白が尋ねた。

「兄さん?兄さんなら、朝早くから何か調べ物をしていたわね」

真白たちは、その部屋に案内された。

ドアの前には要たちがいた。

「要?みんなも何してるの?」

「それが…」

真白は、ドアの隙間から部屋をのぞいた。

「何してるの?そんなんじゃいつまで経っても終わらないでしょ」

「すみません…」

「こんなふうになるまで片づけなかったのはお前だろ」

中には琉晴、湊、渚の三人がいた。

「また兄さんが書斎めちゃくちゃにしたのね…」

「あれじゃいつまでかかるか分かりませんよ」

「そうよね」

充と沙羅が頷き合いながら言った。

「あの、私たちはどうすれば…」

真白が尋ねると、

「うーん。充、何か聞いてる?」

「あぁ、そうだ。湊くんが僕たちに君たち四人の術具と霊力のコントロールの仕方を教えてやってほしいと言われていました」