「そうだよ」

渚が尋ねると、琉晴はそう答えた。

「あれは、なんなんだ?」

「俺にもわからない。でも父さんの体に取り憑いているのは確かだ」

「…あいつは、正体を見破ることができれば当主の体から出ていくのか?」

「その約束だ」

「…わかった。私も手伝おう」

琉晴は、顔を上げた。

「何言ってるんだ。あいつの正体がわからないんだぞ!もしも危険なものだったら…」

「私はこういう時のために神宮家で修行をしてきたんだ。危険なことは、慣れている」

「…そうだったね。それじゃあ、お願いできる?」

「あぁ、任せておけ」