確かにこの人混みでは、探すのは難しいだろう。

「あ、いた。みんな」

晶の声が聞こえた。

真白たちより先に部屋を出て、他の人たちに挨拶に行っていたのだ。

その後ろには四人の男女と晶の隣を歩く女性がいた。

その中に、真白が知っている二人がいた。

「あ、久しぶりね」

一人の少女が真白に気づいた。

「あなたたちは…」

真白が警戒するように後ろに下がった。

「ごめんなさい。この子達に悪気はないの。ただあなたに興味があったみたいで…」

晶の隣にいる女性が間に入った。

「初めまして。私は晶の姉の神宮沙羅です。よろしくね」

おっとりした雰囲気の女性だ。

「この子たちは、私たち神宮家に仕えている一ノ瀬(まこと)、二階堂拓海、三上由紀、四ノ宮(めくみ)

紹介をされた四人は軽く頭を下げた。

「この子たちには、ちょっかいをかけないように言ってあるから」

「ちょっかいってなんだよ沙羅。あれぐらいなんともないだろ」

それを聞いていた要が前に出た。

「真白に何かしたのか?」

「要、大丈夫だから」

「でも…」

話の途中で、前の方から声が聞こえた。

「全員集まったようなので、始めさせていただきます」