「他の皆様が到着されるまで、お部屋でゆっくりしていてください」

女性に言われて、真白たちは一つの部屋に通された。

「寝室は別にご用意しております。ひとまずここで休んでいてください」

お茶を出されたあと、女性は部屋を出て行った。

「今の人は、ここで働いている使用人の一人だよ」

晶がソファに座って言った。

「湊はまだ来ていないのか?」

慧が言った。

「もうすぐ着くと連絡があった」

渚が答えた時、ドアがノックされた。

「皆さん、遠いところをわざわざお越しくださりありがとうございます。神宮家の次期当主、神宮琉晴です」

「兄さん、湊くんはまだ来てないの?」

晶が立ち上がって言った。

「湊もついさっき着いたと使用人たちが話していた。他の人たちも到着した様だから、準備ができ次第、使用人に声をかけに来る」

「琉晴様」

使用人らしき人が琉晴に何か耳打ちした。

「…わかった。すぐ行く。それでは皆さん、それまでくつろいでいて下さい」

そう言って、部屋を出て行った。

(今の人が神宮家の次の当主?)

真白が想像していたよりずいぶん若く見えた。

おそらく二十代前半くらいだろう。

「かなり若いんですね」

花蓮が言った。

「でも、俺と歳は同じだぞ」

慧が言った。

「え?そうだったんですか?」

要が驚いたように言った。

「俺が大学を卒業した時に初めて会ったからな。五年ぶりになるか」

その頃、次々に退魔師や術師が到着していた。