『夏休みに京都に行きたいんですけど、行ってもいいですか?』

湊もそのことについて話そうと思っていた。

「うん。いいよ。あと、他のみんなも連れてきて。高嶺先生に頼めば、連れてきてもらえると思うよ」

『わかりました』

「そうだ。あと、卒業式の時に途中になった話についても、その時に話していいかな?」

結局、予定が合わず、話せずに時間が経ってしまっていた。

『はい。その時で大丈夫です』

「じゃあ、また夏休みにね」

湊はそう言って電話を切った。

「神宮家の本家でやるんだよな…」

湊はため息をついた。

「気が重いか?」

鵺が横に座った。

「大丈夫だ。お前の化身も返してもらわなきゃいけないしな」

それに湊も桜咲家の次期当主として、参加しなければならない。

「気を引き締めないとな」