春休みが開け、新学期が始まった。

二年生になり、新たな気持ちで真白(ましろ)は学校に向かった。

「真白、おはよう」

真白が肩を叩かれ振り向くと、(かなめ)隼人(はやと)が立っていた。

「おはよう。要、隼人。一緒に登校してくるの、珍しいね」

「ちょうどそこで会ったから。あ、クラス表、貼り出されてるみたいだね」

要が指差した方を見ると、昇降口の掲示板に人だかりができていた。

三人は、昇降口のところに行って、後ろからクラス表を見た。

「よく見えない…」

真白は、後ろからはよく見えなかった。

「あ、俺、三組だ」

「俺も」

要と隼人自分の名前を指差して言った。

そこに紫音(しおん)もやってきた。

「おはよ」

「あ、紫音おはよう。私の名前、一緒に探してくれない?」

紫音がクラス表を見た。

「えっと…真白は、三組だな。あ、俺もだ」

「おはようー」

天音(あまね)結奈(ゆな)花蓮(かれん)も登校してきた。

「あ、私たち、三組だよ」

結奈が言った。

「ほんとだ。春香(はるか)も同じクラスだ」

天音が春香の名前を見つけた。

ちょうど春香もやってきた。

「私、何組だった?」

「三組。全員一緒のクラスだよ」

「本当に?」

真白たちは全員、同じクラスになった。



教室に着くと、黒板に書かれた座席表を見て席に座った。

真白は窓際の一番後ろの席になった。

チャイムが鳴って、担任の先生が入ってきた。

中年の女性の先生だ。

高嶺(たかみね)先生と冴島(さえじま)先生はどこの学年なんだろう…)

担任の話を聞きながら、真白は頭の中でそんなことを考えた。

その後、各教科の担当が書かれている紙が配られた。

その中に(けい)千輝(ちあき)の名前があった。



「高嶺先生と冴島先生、別のクラスになっちゃったね」

春香がつぶやいた。

今日は、午前の授業で終わりだったので、真白たちは旧校舎に向かっていた。

(みなと)さんも京都の大学に行ったから、なかなか会えなくなったよね」

天音が続けて言った。

「鵺も湊さんと一緒にいるのかな」

真白がつぶやいた。

旧校舎に入ったところで、奥から大きな音が聞こえた。

「なんの音?」

花蓮が言って、みんなで顔を見合わせた。

走って行くと、慧と千輝がいた。

「先生たち、何してるんですか?」

天音が不思議そうな顔をして言った。

「本の整理だよ。他の先生たちから頼まれたんだ」

あたりにはたくさんの本が散乱している。

「だから台車で運ぼうって言ったんです。この量を二人で運べるわけないじゃないですか」