雨、やまないでほしい。今やんでしまったら一気に何でも気になってしまいそうだ。諸々ぜんぶを無視していたいから。知らずにいたい。痛い。


すこし冷えたら風邪を引くとでも思ってるならそれは私じゃないけれど、彼は私をそういうふうに思ってるのかもしれない。そうじゃなきゃ外で私のこと抱きしめてくれはしないし、すぐに来てくれるわけないし?


って思考巡らせて何になるのか不明なまま、不明瞭なカンケー続けたい欲がチカチカと頭の隅に居座っている。私、何もないもん。何もないから1つ出会った彼のこと、忘れもしない。


何もないより1は存在感が比じゃなかった。だからつけ込んでる感あるのに理由駆使して言葉彩って自分の与えられるもの何だって、あげてもいいって思う。


この人は私をソートーやばい女だって言ったけど、自分で理解してることだ。そうじゃなきゃ知っててほしいとか自ら切り売りしない文言。ひどいって知っててほしいとか本気で思ってる。



「天辻、」

「なーにー」

「責任取ってよ」

「何の?」



飾りみたいに彼の背中に回してた腕を解いて、すこし顔を上げた。成澤はちょっと弱気な表情を浮かべていて変に鼓動が鳴る。



「ど、どーしたの」

「今思い出したんだけど」

「…うん」

「じつは、」