彼の眼。
熱も冷もなく、ひっそり存在しつつ逸らせば終わってしまうような光、鋭く。それが印象的かも。



いつもゆらゆらしているような危うさより、真正面から突破する脆さが、私だけに伝わる。伝わる、色がきれいだ、と思った。逸らせなかった。逸らしたら終わりだった。



ある雨の帰り道、濡れたシャツの肩を掴んだ強引なてのひらが、忘れられない。そんな思い出、とかね。思い出とか言っている時点で脳に刻んでいる。





知らずにいた。

いたかった。