「お兄ちゃん遅い。乗り遅れるかと思っちゃったよ」
「ごめんごめん」
頬を膨らます星奈に手を合わせて謝った。
「あれ?お兄ちゃんなにそれ?」
目ざとく星奈はミサンガを手首につけたミサンガを見つける
「先輩にもらったんだ。で、また会おうって約束して」
「ええ、すごい」
「彼女にはならなかったのか?」
急に父さんがゲスい質問をしてきた。
「なってねえよ。そりゃ彼女にできたら嬉しいけど」
今回はいつもみたいに鋭く突っ込めなかった
「あらあら?星夜は本田さんにメロメロかしら」
「母さん!」
家族にからかわれていると列車が入ってきた。これでいよいよこの町ともお別れだ。本当にあっという間にだったな。
窓の外を見てみると誰かが手を振っている。よく見ると先輩と瀬戸さんだった。いや、正確には小さくて認識するのは難しいけど多分そうだ。手に緑と黒の輪っか、ミサンガが見えた気がした。向こうからは見えないだろうけどこっちも手を振った。
「お兄ちゃんどうしたの?」
「いや、先輩と瀬戸さんが下から手を振ってて」
「え!?」
俺の膝に乗り上げて窓の下をみるけど既に発車してもう姿は見えない。
「ちぇー」
つまらなさそうに口を丸めて自分の席に戻った。
「ねえねえ、とんな約束したの?」
「だからまた会おうって」
「どこで?どこで?静岡?」
「いや、東京」
「なんで?」
「もし全員大学が東京になったらまた集まって鉄道模型作ろうって」
「お兄ちゃん、それは行くべきだ!今からもっと勉強して特待生を取るのだ。そんなお兄ちゃんを私はサポートするぞ」
「お前なぁ」
ここで過ごした三ヶ月は本当に濃いもので一生忘れないだろう。ここでの思い出を静岡に帰っても大事にしたい。そしてまた会えた時に恥ずかしくないように過ごそう。
そうだ。帰ってからも鉄道模型を始めようかな?鉄道模型こそ北國で過ごした大切な一番の思い出だ。どうせなら北國の模型を作ってみよう。先輩と瀬戸さんも驚くかな?いや、なんで私たちの思い出を一人で作っちゃうのーって怒るかな?
そう考えると北國だけはやめて別のモデルにしよう。どのみち俺は不器用だから練習しないといけない。だとすればいきなり町を作るよりも、どこかの風景を小さく切り取ったものを作ろうかな?いやそれよりも色塗りの練習の方が大事かもしれないな。
流れる景色を見ながらどこを作ろうか物思いにふける。この鉄道模型とミサンガがいつかつながって最高の思い出になりますように。そう祈った。
「ごめんごめん」
頬を膨らます星奈に手を合わせて謝った。
「あれ?お兄ちゃんなにそれ?」
目ざとく星奈はミサンガを手首につけたミサンガを見つける
「先輩にもらったんだ。で、また会おうって約束して」
「ええ、すごい」
「彼女にはならなかったのか?」
急に父さんがゲスい質問をしてきた。
「なってねえよ。そりゃ彼女にできたら嬉しいけど」
今回はいつもみたいに鋭く突っ込めなかった
「あらあら?星夜は本田さんにメロメロかしら」
「母さん!」
家族にからかわれていると列車が入ってきた。これでいよいよこの町ともお別れだ。本当にあっという間にだったな。
窓の外を見てみると誰かが手を振っている。よく見ると先輩と瀬戸さんだった。いや、正確には小さくて認識するのは難しいけど多分そうだ。手に緑と黒の輪っか、ミサンガが見えた気がした。向こうからは見えないだろうけどこっちも手を振った。
「お兄ちゃんどうしたの?」
「いや、先輩と瀬戸さんが下から手を振ってて」
「え!?」
俺の膝に乗り上げて窓の下をみるけど既に発車してもう姿は見えない。
「ちぇー」
つまらなさそうに口を丸めて自分の席に戻った。
「ねえねえ、とんな約束したの?」
「だからまた会おうって」
「どこで?どこで?静岡?」
「いや、東京」
「なんで?」
「もし全員大学が東京になったらまた集まって鉄道模型作ろうって」
「お兄ちゃん、それは行くべきだ!今からもっと勉強して特待生を取るのだ。そんなお兄ちゃんを私はサポートするぞ」
「お前なぁ」
ここで過ごした三ヶ月は本当に濃いもので一生忘れないだろう。ここでの思い出を静岡に帰っても大事にしたい。そしてまた会えた時に恥ずかしくないように過ごそう。
そうだ。帰ってからも鉄道模型を始めようかな?鉄道模型こそ北國で過ごした大切な一番の思い出だ。どうせなら北國の模型を作ってみよう。先輩と瀬戸さんも驚くかな?いや、なんで私たちの思い出を一人で作っちゃうのーって怒るかな?
そう考えると北國だけはやめて別のモデルにしよう。どのみち俺は不器用だから練習しないといけない。だとすればいきなり町を作るよりも、どこかの風景を小さく切り取ったものを作ろうかな?いやそれよりも色塗りの練習の方が大事かもしれないな。
流れる景色を見ながらどこを作ろうか物思いにふける。この鉄道模型とミサンガがいつかつながって最高の思い出になりますように。そう祈った。