全ての賞の発表が終わり、審査員の総評に移った。
 なぜこの賞を与えるに至ったのか。ここがよかったなどざっくり説明していた。
「続きましてユニーク賞ですが……」
 何故かここでためた。
「家庭用プラネタリウム機を山に埋め込むという前代未聞のことをやってしまってはこれ以外にこの賞は与えられません」
 会場は大盛りあがりになった。
「正直言いますと技術は低いです。よく見たら材質がそのまま残っていたり、レールが平坦なはずなのに勾配ができていました。この大会に参加する初心者ももっと上手です」
 まじか。レールは結構確認したぞ。
 しかしひどい言われようだ
「ですが、彼らの失った思い出を蘇らせたい。という想いがはっきりと伝わり、その思い出の光景を再現するためにとんでもない暴挙に出ることを厭わないその挑戦に心を打たれました。今度はもっと技術を磨いてきてください」
 瀬戸さんが最初に言ったことがそのまんま通じたということだな。
 想いも感情をぶつける。言い方は違ったけどそういうことだよな?
 こうして俺たちの戦いは終わった。