のだが、様子がおかしい。
 わからなくはない。自暴自棄になって変なことを言いまくったのだから。
 でも、俺たちは暖かく迎え入れた。
「おかえり瀬戸ちゃん」
 先輩もいつもの様子になって瀬戸さんに抱き着いた
「先輩、苦しいです」
「そうそう。瀬戸ちゃんはそうでなくちゃ」
 ワイワイと女子二人がやっているのを一人ぽつんと眺めていた。
 そのイチャツキが終わると瀬戸さんは俺と先輩と向かい合った。
「ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」
 そして綺麗なお辞儀で謝られた。
「もう気にしてないから大丈夫だよ」
「ああ。それよりも早く模型作ろうぜ。大会まで一ヶ月は切っているはずだからな」
「それでも、その」
「この前も言ったけど、瀬戸さんは悪くない。あれは教頭が全面的に悪い。何しろ思い込みで自分の犯罪を隠すなんて教育者じゃないよ。でもそこまで言うならじゃあ利用された俺たちへのお詫びとして、一緒に模型を完成させて欲しい」
 また何かいろいろ言いそうだったから、何かを言う前にお願いをして頭を下げる。
「さ、やろう」
「……はい」
 今までで見た中で一番の笑顔だった。
「大変!!」
 金谷先生がスマホを持ちながら入って来た。
「どうしました?」
「大会日程が……」
「大会日程がどうかしましたか?」
 先生のスマホの画面を見るととんでもないことが書いてあった
「あと17日しかないじゃん!!」
「嘘……」
「まだ何もできてないよ〜」
 例年より一週間早い開催となった。今年の8月は1日が金曜日から始まるからその分早くなってしまったみたいだ。
「決まっちまったもんは仕方ない。こうしちゃいられない。すぐに制作開始!!」
『おお!』
 慌てつつも楽しい模型作りが始まった。