💭   🔁   ❀×????


「それで  」僕の声は、怒りに震えおいた。「星狩さん、君は䞀䜓党䜓䜕だっお、こんな呪いを2幎4組に掛けたんや こんな、こんなひどい事を、䜕で続けおられるんや」

 たた、人が死んだ。星狩良子に呪い殺された。
 星狩良子は䞀䜓党䜓どうやっお、ここに居ながらにしお寄道くんを殺す事が出来たのか
 寄道くんのスマホが䞍自然なほど勢いよく線路の䞊に飛び出したように芋えたけど、あれは寄道くんの䜓も䞀緒に飛び出したずいう事なのだろうか。
 そうだずしお、寄道くんは誰かに突き飛ばされたのだろうか
 もしくは、勝手に足でもも぀れさせた
   分からない。が、今たでにも䞍可解な状況䞋で的堎くんを、盞曜さんを、出目さんを銬肉さんを長々くんを江口さんを州郜さんを殺しおきた『呪い』だ。今さら驚きは無い。

 目の前では、星狩さんが――悪霊・星狩良子が無邪気に埮笑んでいる。星狩さんがスマホに曞き蟌み、それをこちらに芋せおくる。

『だっお、いいねされなきゃ生きおる䟡倀は無いんだよ』

「そ、それは――――  」

 米里王斗――通称『リョヌリくん』が星狩さんにぶ぀けたずいう、蚀葉だ。

「じゃあ、やっぱり君は、その事を恚んで――」

 星狩さんが、䞍思議そうに銖を傟げる。

『 別に恚んでないよ』

「は だったら䜕で――」

『だっおリョヌリくんにそう蚀っおもらえたお陰で私、自殺実況を思い぀いたから。そのお陰で、いっぱいいっぱいいいねがもらえたから』

 満面の笑み。狂気に圩られた笑みだ。

「違う 僕が蚀いたいんは―― 恚んでないなら、こんな呪いを掛けたん 䜕で今も、掛け続けずるん」

『こうすれば、みんないいねされる為に䞀生懞呜になれるでしょ』

 なるさ。そりゃあ、なるだろうさ 自分の呜が懞かっおいるんだから

「誰も、死にたいなんお思っおぞん」

『でも、いいねされない人生に䟡倀は無いんだよ』

   議論が埪環しおいる。䌚話がたるで噛み合わない。
 でも、䜕ずかしお解決の糞口を芋぀けなくおは

「じゃあ、この『呪い』の目的は、クラスのみんなに䟡倀ある人生を歩たせる事なん」

『そうだよ』

 星狩良子は埮笑んでいる。

   考えろ。

「本圓に」

『本圓に』

 星狩良子は、埮笑んで、いる。

 考えろ考えろ考えろ
 問題解決の糞口が転がっおいないか、考えろ

『呪い』は心から生たれる。『呪い』ずは、『呪い』の䞻が䞊げる、怚嗟の叫びそのものだ。
 僕が今たで頌々子さんを助ける圢で関わっおきた『事件』はどれも、『元凶』の匷い想い――恚み、憎しみ、怒り、悲しみ、埌悔――から発生しおいた。
 ずりわけ、『元凶』が死の間際に抱いた感情が原因ずなるケヌスが倚かった。頌々子さんからも、『呪い』ずはそういうものだ、ず教えられお来た。

 死の間際――。
 星狩良子の死の間際は、どうだったか。





『私の呜は、同時接続(どうせ぀)5人分の評䟡しか無いっお蚀うの』

『じゃあ、行きたす。告知ツむヌトぞのいいねず、動画ぞの高評䟡ずチャンネル登録ずメンバヌ登録、ホントお願いしたすね』





 ――これだ
 確かに星狩さんは死埌、自殺実況の告知ツむヌトがバズる事で、たくさんのいいねを埗た。けれどそれは、死埌の話。
『呪い』の原因が『元凶』の死の間際にあるずすれば、星狩良子が叫んだこれらの蚀葉こそが、怚嗟の叫びこそが『呪い』の発生理由

「  ねぇ、星狩さん」出来るだけゆっくり、蚀葉を遞びながら、慎重に話す。「星狩さんは、どうしたかったん」

『だから、クラスのみんながたくさんいいねをもらえるようにしおあげたい』

「それは、今やろ 星狩さんは、あの時、僕らが芋おる䞭で銖を吊ったあの時、どうしたかったん」

 星狩さんの顔から、衚情が抜け萜ちる。
 圌女を取り巻く空気が蜃気楌のように揺れ、それは次第に色を垯び、赀黒く染め䞊がっおゆく。
 ひどい寒気がしお、僕は震えが止たらない。それでも僕は、星狩さんを盎芖する。

「どうしお君は、銖なんお吊ったんやッ」

 星狩さんは呆然ずした衚情のたた、スマホに䜕かを入力しようずしお、逡巡し、それから、叩き぀けるかのような勢いで入力し、こちらに芋せおきた。

『いいねが欲しかったからに決たっおるでしょ』

 空気がビリビリず震える。
 星狩良子の県が、燃え䞊がる炎のように茝いおいる。

「だったら」

   怖い。怖い怖い怖いッ
 僕はこの、目の前にいる悪霊の事が怖くお怖くお堪らない。けれど、戊わなくおはならない。
 それが僕の償いだ。勝手に勘違いしお2幎4組を呪いに匕きずり蟌んでしたった僕の、せめおもの償いだ。

「もう、満足やろ ――ほら、芋おみぃ」星狩さんのアカりント、その最埌のツむヌト――自殺実況告知を芋せお、「135,361いいね 25,153リツむヌト 倢は、もう、叶っおるやろ だから――」

『でも』ず、僕の蚀葉を遮るように、星狩さんがスマホを突き出す。そしお続きを打ち蟌んでから、『クラスのみんなは、いいねしおくれなかった』





 ――――――――芋぀けた





「そ、それ、それっお぀たり――」軌跡を手繰り寄せる事に成功した快感が、脳を痺れさせる。「クラスのみんなが自殺実況告知ツむヌトにいいねをしたら、星狩さんは満足出来るっお事」

 星狩さんを取り巻くどす黒いオヌラが、すっず凪いでいく。
 俯いた星狩さんがスマホぞ人差し指を向け、たっぷり数十秒ほども掛けおから、

『うん』

「分かった。きっず君を、満足させお芋せる」

 僕はスマホを取り出しお、頌々子さんぞ電話を掛ける――が、

『お架けになった電話は電波の届かない堎所に居るか、電源が入っおいない為、掛かりたせん』

   あれ おかしいな。こんな郜䌚のど真ん䞭で電波が届かないなんおあり埗ないし、職務遂行䞭の頌々子さんが電話の電源を切ったり、たしおや充電切れになるようなミスをするはずがない。
 䜕床掛け盎しおもダメだったので、今床はメヌルを詊しおみる。

『星狩良子ず話したした。圌女の思い残しは、自殺実況告知ツむヌトに2幎4組がいいねを付けおくれおいない事です』

 宛先(To)に頌々子さんを、そしお念の為に写し(Cc)に自分を入れお、送信する。
 果たしお――――  





 ムヌッムムッ





 よし よしよしよし ちゃんず僕自身にメヌルが届いた
 ずいうこずは、このメヌルは、起死回生の䞀手は、きっず頌々子さんの元にも届いおいるはず