これで教育特区本申請案の本格的な検討を始められると喜んだ桜田だったが、意外なところで壁にぶち当たった。
 スポーツ専門中学校というコンセプト、廃校になった中学校と小学校の活用、ふるさと納税をメインとした資金確保、ここまでは問題なかった。
 しかし、校長や教頭を誰に任せればいいのか、数多くのスポーツ専任教師をどう確保すればいいのか、スポーツと無縁の桜田に解はなかった。
 幹部職員の中にスポーツ関係者と繋がりを持つ者もいなかった。
 桜田は頭を抱えた。