心配は当たってしまった。

「言いつけたわね」

 放課後、寒田と黄茂井に凄い目で睨まれて体育館の裏に連れていかれた。

「ただでは済まさないからね」

 壁に押し付けられた瞬間、寒田の膝がお腹に飛んできた。
 痛かった。
 すごく痛かった。
 それに、すごく怖くて涙があふれてきた。
 
「今度言いつけたら」

 黄茂井が鉛筆の先をわたしの頬に向けた。
 突き刺すという脅しに違いなかった。
 わたしは立っていられなくなって崩れるようにお尻から落ちた。
 
「立ちなさいよ」

 寒田に髪の毛を掴まれて上に引っ張られた。
 しかし立つことはできなかった。
 すると左右に揺さぶられて、顔が左に右に揺れた。
 わたしは声を出して泣き出した。
 その時、男の人の声が聞こえた。