人の噂も75日と言うが、1か月もしないうちに事件はほとんど忘れ去られていた。
 それでも夏島は自分をまだ許していなかった。
 家に籠って自省を続けていた。
 心配した妻や彼の妹が外へ連れ出そうとしたが、彼は頑なに拒否した。
 家族以外の誰とも接触しないまま、一日、また一日と時が過ぎていった。