結局、翌週の月曜が祝日でそこなら安達も含めて予定が合ったため、動画撮影はその日に決定。
日々、何を着せようかとクローゼットの中を漁っては、どうしてこうなってしまったのかと頭を抱えた。
こんなことをして日向野のストレスになってはいないだろうか。だが日向野が良いって言っているのに、自分がおせっかいな心配事をしてもうざがられるかもしれないし。
そんなことを考えていた約束の日の前日の夜、日向野からポチャチャカフェに行った時以来に連絡が来た。
【明日十時でいいんだよね?】
明日は集合時間の二時間前に、八代の家に日向野が来るという話になっていた。
【そうだよ。着いたら教えて。出るから】
そう送ると【了解】とだけ返ってきた。事前に住所を送っていたため、本当に確認だけの連絡だったらしい。既読だけして何も返さないのもなと思い、【おやすみ】と返信する。
自分で終わらせたつもりだったが、律儀に日向野からはポチャチャが寝ているスタンプが送られてきて思わず笑った。
こういうスタンプを持っているということは、きっと誰かとやりとりすることがあるのだろう。
高校では誰かと親しくしている姿など見たことない。だとしたら中学時代の友達だろうか。
なんて、なんでそんなことを気にしているんだと自分に嫌気がさし、そのまま布団に潜り込んだ。