「それともうひとつ、お願いがあるんです」 「?」 「クリスマスプレゼントに、お姉さんの名前を教えてください」 きっと、いろいろ順番がバラバラだ。 なんなら俺は名前よりも先に、お姉さんがここから徒歩5分圏内に住んでいることを知っている。 聞いた俺も俺だけど、それに答えてしまうお姉さんの不用心さが心配になる。 そっか、まだ名前知らなかったのか、なんて言って、お姉さんの口がゆっくりと動く。 「舞(まい)、だよ」