コトン、と優しく置かれた商品。


「……せっかくのクリスマスイブなのに、そんな顔してどうしたんですか」


久しぶりの会話なのに、こんなことしか聞けなかった。


俺の言葉にハッとした顔をしたかと思えば、すぐに笑顔をつくる。


「イブにバイトなんて、アオイ君彼女がいないなぁ〜」


痛いところを突かれてしまった。


それに上手く話を逸らされた。


いつだってお姉さんのペースだ。


「お姉さんのほうこそ、聖なる夜にひとりでコンビニですか」


俺がそう言うと、目の前のお姉さんは気まずそうに苦笑いをするだけだった。