「……お、ねえさん……」


自動ドアの先には、すごく久しぶりのお姉さんがいた。


お姉さんは俺と目が合うと少し笑って、3週間前と変わらず、すぐにレジからいちばん遠い缶チューハイがあるコーナーのほうへ歩いていく。


仕事帰りとは違うオシャレをした服装に、メイクも普段と違ってキラキラしている。


だけど、表情は暗かった────。


それに、少し痩せた……?


元々細身だったけど、さらに細くなったような気がした。


店内を歩くお姉さんを目で追ってしまう。


ずっとずっと会いたくて、聞きたいことがたくさんあったはずなのに、お姉さんの顔を見れたから全部吹っ飛んでしまった。


これじゃあ、はじめて話しかけたときと変わらないじゃんか。