店内から外を眺めるお姉さんの横顔が綺麗で、思わず見とれてしまう。


だけどやっぱり、いつもと雰囲気が違う。


毎日お姉さんのことを見ているからわかる。


濡れていないのに、泣いているように見えてしまうのは俺の瞳がおかしいだけなんだろうか。


「今日はアイス食べながら帰れないですね」


モップで床を拭いて仕事をしているフリをしているけど、意識は完全にお姉さんにしかない。


「……そうだね」


俺の顔を見て小さく笑うお姉さんが、ほんの少しだけいつものお姉さんで安心する。


「お酒は買うんですか?」

「どうしようかな……でもお酒を飲まないと眠れないの」


“寂しいんだ────”


いつも明るいお姉さんが、はじめて俺に見せた弱い部分。