昨日、お姉さんはコンビニに来なかった。
毎日会いたいと思っていたのに、お姉さんが来なかったことにホッとしている自分がいた。
あんな光景を目にしてしまったから、どんな顔をして会えばいいのかわからなかった。
「ありがとうございました」
学校が終わって、今日もいつものように17時から勤務していた。
店内からお客さんがいなくなったのを確認して、レジから離れて少なくなっている商品を補充する。
昨日のことが頭から離れてくれない。
「はあ」
「溜め息なんて吐いてなにか悩みごと?」
「……うわぁっ!」
すぐ横にお姉さんが立っていた。
入店音にも気がつかないくらい考え込んでしまっていたらしい。
「いらっしゃいませ……とお仕事お疲れ様です」
「ありがとう。悩みが多い高校生君」
お姉さんのことで悩んでるんですよ、なんて言えないけど。
「今日もお酒とアイスですか?」
俺の言葉に、「んー」と少し考えて、お菓子コーナーに向かう。