3月…
もうすぐホワイトデーがやってくる。
ホワイトデーにバレンタインデーのお返しをする風潮だけど…
剣は、お返ししてくれるのかな?
そう思いながら…毎日を過ごしていた。
そして、ホワイトデー当日…
朝から、剣と何回も顔を合わせているけど…
剣は、何かをくれる雰囲気はない…
昼休憩になっても、そんな雰囲気はなかった…
―――剣、忘れてるのかな?
―――もしかしたら、夕方かもしれない…
そして、剣のクラブが終わって…
「楓、お待たせー。帰ろうか?」
「うん、帰ろう」
―――あれ?本当に忘れてるのかも?
いつものように、喋りながら帰る…
だんだん、不安になってくる楓…
パン屋さんに着いてしまった…
楓は諦めて
「剣、また明日ね…」
そう言って振り向いて帰ろうとすると…
剣が、楓の腕をつかんで…
「待って」
と言った。
すると…剣がプレゼントらしき物を持っている。
「これ…」
「剣、ありがとう。見ていい?」
「うん…」
可愛くラッピングされた包み紙をはがすと…
中には可愛いクッキーが入っていた。
「ありがとう。これ剣が買いに行ったの?誰かと?」
「俺、1人で行った。恥ずかしかったけどな…」
「剣…ありがとう。大好き」
楓は、そう言って剣の口にクッキーを持って行った。
剣は、ビックリしてたけど…食べてくれた。
「剣、春休みどこかに行こう?」
「クラブの休みの日なら行けるよ」
「うん、それでもいいよ」
「クラブの休みが分かったら教えるね」
「うん、待ってる」
それから…
剣は、クラブの休みの日を教えてくれて…
二人は、会う約束をした。
お金が無い二人は…
近くの海に行こうと約束した。
家から歩いて行ける海だ…
当日…
パン屋さんで待ち合わせをして、二人で歩いていった。
剣と楓の家は、団地の上にあるから
ずっと…下っていく。
ただ、二人で歩いていくだけなのに…
すごく楽しい…
話が途切れても、その無言が楽しく感じる。
今日は、下のスーパーで
おにぎりとお茶を買って行った。
昔は、ごはんやさんも少なくて…
しかも、高かった…
海に着いて…二人で砂浜で遊んだ…
定番の水の掛け合いもした。
二人で砂浜でおにぎりを食べて…
沢山、話をした。
時間が経つのはあっという間で…
夕方になって…帰る時間になった…
今度は坂道を上がっていく。
楓が疲れて…
休んでいると…
剣が、楓の手を持って優しく引っ張ってくれた…
―――キャー!初めて手を繋いだよ…
剣は、パン屋さんに着くまで楓の手を離さなかった…
前の人生では、手も繋いだことがない二人だった。
握手しただけ…
明らかに前の人生と違っている。
だから楓は、すごくすごく…嬉しかった。
もうすぐホワイトデーがやってくる。
ホワイトデーにバレンタインデーのお返しをする風潮だけど…
剣は、お返ししてくれるのかな?
そう思いながら…毎日を過ごしていた。
そして、ホワイトデー当日…
朝から、剣と何回も顔を合わせているけど…
剣は、何かをくれる雰囲気はない…
昼休憩になっても、そんな雰囲気はなかった…
―――剣、忘れてるのかな?
―――もしかしたら、夕方かもしれない…
そして、剣のクラブが終わって…
「楓、お待たせー。帰ろうか?」
「うん、帰ろう」
―――あれ?本当に忘れてるのかも?
いつものように、喋りながら帰る…
だんだん、不安になってくる楓…
パン屋さんに着いてしまった…
楓は諦めて
「剣、また明日ね…」
そう言って振り向いて帰ろうとすると…
剣が、楓の腕をつかんで…
「待って」
と言った。
すると…剣がプレゼントらしき物を持っている。
「これ…」
「剣、ありがとう。見ていい?」
「うん…」
可愛くラッピングされた包み紙をはがすと…
中には可愛いクッキーが入っていた。
「ありがとう。これ剣が買いに行ったの?誰かと?」
「俺、1人で行った。恥ずかしかったけどな…」
「剣…ありがとう。大好き」
楓は、そう言って剣の口にクッキーを持って行った。
剣は、ビックリしてたけど…食べてくれた。
「剣、春休みどこかに行こう?」
「クラブの休みの日なら行けるよ」
「うん、それでもいいよ」
「クラブの休みが分かったら教えるね」
「うん、待ってる」
それから…
剣は、クラブの休みの日を教えてくれて…
二人は、会う約束をした。
お金が無い二人は…
近くの海に行こうと約束した。
家から歩いて行ける海だ…
当日…
パン屋さんで待ち合わせをして、二人で歩いていった。
剣と楓の家は、団地の上にあるから
ずっと…下っていく。
ただ、二人で歩いていくだけなのに…
すごく楽しい…
話が途切れても、その無言が楽しく感じる。
今日は、下のスーパーで
おにぎりとお茶を買って行った。
昔は、ごはんやさんも少なくて…
しかも、高かった…
海に着いて…二人で砂浜で遊んだ…
定番の水の掛け合いもした。
二人で砂浜でおにぎりを食べて…
沢山、話をした。
時間が経つのはあっという間で…
夕方になって…帰る時間になった…
今度は坂道を上がっていく。
楓が疲れて…
休んでいると…
剣が、楓の手を持って優しく引っ張ってくれた…
―――キャー!初めて手を繋いだよ…
剣は、パン屋さんに着くまで楓の手を離さなかった…
前の人生では、手も繋いだことがない二人だった。
握手しただけ…
明らかに前の人生と違っている。
だから楓は、すごくすごく…嬉しかった。