休み時間は友梨ちゃんたちと、放課後は友梨ちゃんたちと教室でお喋りをしたり図書室で宿題をしたり、はたまた高橋くんとスイーツを食べに行ったり音楽室で彼が弾くピアノを楽しんだりと、こちらの世界にきた時は想像もできなかったほど充実した時間を過ごしていた。
【明日の放課後あいている? 新作のスイーツ、食べに行かない?】
私も甘いものが好きだけれど、高橋くんも同じぐらい甘いものが好きらしい。
【クリスマス当日に生まれたからかな。ケーキとか、甘いスイーツ、大好きだよ】
そうはにかみながら教えてくれて以来、2回ほど一緒にスイーツ巡りをした。
翌朝、寝る前に届いた【あいているよ。行こうか、楽しみだね】彼らしいシンプルなメッセージを見て、胸を躍らせながら電車に乗る。
季節限定のフルーツケーキ。クリームは生クリームとチョコレートの2種類がある。
高橋くんは『ショートケーキよりチョコレートケーキが好き』と言っていたから、きっとチョコレート味のクリームを選ぶだろうな。
私は生クリームを選んで、一口交換するのもいいかも。
既に食べに行った人のSNSを見て、より気持ちが高まっていた時、【ごめん、今日の約束、延期してもらってもいいかな】とメッセージが届いた。
約束を延期するとは珍しいな、急用でもできたのかな。
【わかった。私、今週末でも来週の放課後でもいつでもあいているよ。また高橋くんの都合の良い日、教えてくれる?】
すぐに返事をしたのに、学校に着くまで返事が来るどころか、既読すらつかなかった。