淡色の君と、透明なセカイ


表紙の色、あまり見たことがなかったけど、言われてみるといい色をしているなと思う。

いつも、本屋さんでもらう紙のカバーが付いていたから、実際に表紙に触るのは初めてだった。



少しざらっとしていて、細かいシワのようなものがたくさん入っている。

感触は、和紙を触った感じに近いかもしれない。






「この表紙、凹凸があるから、学校図書でカバーつけるとき大変だったんですよね‥‥‥‥」と眉毛をハの字にしている。


「今年も図書委員だっけ」


「はい」そのくらいしかやることないですし、と苦笑いする。


そんなことないとは思うけど、彼女が他の委員会に入っているのは想像できない。





「やっぱ、シノは本と一緒にいる気がするよ」


「そうですかねー‥‥‥」


「だって、こうやって話してくれてる訳だしさ」


「‥‥‥‥前は、本くらいしか、無かったので」





前は‥‥‥‥か。





「今は、楽しい?」自然と口をついていた。


「当たり前じゃないですか」と間髪入れずに返ってくる。




そう言えるくらいになれた、というのが嬉しい。