「シノも食べよー」といくつか手に乗っけてくる。
「あ、はい‥‥‥‥」
「んじゃ、いただきましょー」
「いただきます‥‥‥‥」
口の中に入れると、ふわ、と紅茶の香りが鼻に抜けた。
まろやかで美味しい。
「‥‥‥ん!!美味しいね!!」
「はい」
いくらでも食べれそうだー、と表情《かお》が蕩《とろ》けている。
普段はあまり見ないから、なんだか新鮮。
「桜庭君、楽しそうでよかったです」
「ん、なんで?」
「東京は嫌な思い出多いって言ってましたから‥‥‥‥」
「それは、」と少し考えて、続ける。
「それは、シノのおかげでどうにかなっちゃったから」
「だから今は、あんまり心配してない」
はちみつ色が、淡く溶ける。



