「本物のお姫様みたいだな」よかったな、と泉君が言う。
「うん!!」
にこにこしていると思ったら、突然私の手を引っ張ってくる。
大きい瞳と目が合った。
な、なんでしょうか‥‥‥‥。
「おねぇちゃん、魔法使えるの?」
「‥‥‥‥魔法?」
「うん!!あのね、ラプンツェルはね、魔法が使えるんだよ!!でね、その魔法でね、傷を治してくれるの!!」
髪の毛がね、キラキラするんだよ!!と身ぶり手振りで教えてくれる。
「‥‥‥‥へえ、そうなのか」
おれちゃんと映画観たことなかったわ、と隣で言う。
「おねぇちゃんも、魔法使える?」
「うーん‥‥‥‥」
「魔法使えないの‥‥‥‥?」と悲しそうにする。
使えない、と言うのも、期待を裏切ってしまいそうで心苦しい。



