「____確か、あの辺りにスタッフの人がいたはず」そこに届けるか?と立ち上がる。
「そうですね」
開けた場所もあるし、もしかしたら見つかるかも。
迷子センターは、スタッフの人に聞けばいいよね。
泉君の両手が塞がっているので、私が手を繋ぐことになった。
「‥‥‥‥あ!!美空の絵本!!」
私が拾った絵本に気がついたのか、嬉しそうに金糸雀色が広がる。
『にんぎょひめ』と書かれたそれは、表紙の角が丸くなっていて、ページには所々折れた跡がある。
長い間、大切にしてきたのかな。
「さっき、落としてたので‥‥‥」
「おねぇちゃん、美空の絵本拾ってくれてありがとう!!」にぱ、と笑顔が咲く。
ぎゅ、と大事そうにしているところを見ると、お気に入りの絵本なのかもしれない。
小さな手の間から見える裏表紙には、
「 いちのせ みく 」
と大きな字で書かれていた。



