女の子が転んだときに落とした絵本を拾ったはいいけど‥‥‥。
どうやって返そう‥‥‥?
「私とぶつかって‥‥‥」
「迷子か?」
「おそらくは‥‥‥‥」
「ごめんな、びっくりさせちゃって‥‥‥」おろおろする私の横で、泉君が声をかける。
女の子のはしばらく泣いていたけれど、
「どこから来たのかな?」と泉君が聞くと、「あっち」とティーカップの方向を指差した。
「父ちゃんと母ちゃんは?」
「わかんない‥‥‥‥」
「一緒に来たんだよな?」
「‥‥‥うん。ままと、はるくんと、みーちゃんたちと一緒に」
すごい‥‥‥‥。
年の離れた弟がいるだけあって、対応力が。
私1人じゃ、ここまで聞き出せなかった。



