「何するのよ!」
 萌々香は思わず叫んでいた。

「ああ?」
 三人が一斉に振り返り、萌々香は思わず一歩をあとじさった。

 三人は派手なシャツを着崩し、腕にはタトゥーがのぞいている。一人は派手な金髪で骸骨のお面をかぶり、一人がミイラ男のようなかぶりもの、一人は馬のかぶりものをしていた。

 萌々香はすかさずスマホを取出した。
 一一〇番をしようとして、いつの間にか近寄った骸骨にスマホを叩き落される。

「いきなり通報はねえわ」
 骸骨が言い、二人がゲラゲラと笑う。
 萌々香の動悸が恐怖で大きくなる。男が怖くてスマホを拾うためにかがむこともできない。

「お詫びにちょっとつきあってもらおうか」
 骸骨が萌々香の腕を取る。

「は、放して!」
 男は放すどころかつかんだ手に力をこめる。不気味な薄笑いをたたえた骸骨の面から、くく、と笑い声が漏れた。
 もがく萌々香の後ろから、一人が彼女の口をふさいだ。

「ん——!」
 萌々香は声をあげようとするが、くぐもった声が漏れただけだった。男の手をふりほどくことができない。