冷たく見える切れ長の目が笑みに弧を描き、萌々香を捉える。酷薄にすら見える口元がやわらかく綻ぶ。
萌々香の心がふわっと温かくなった。それは胸に広がるいっぽうで、徐々に萌々香の全身を満たしていく。
萌々香は目を離せなくなった。
なぜか彼の目が青銀に輝いているように見える。いや、目だけではない。全身から青銀の炎のようなオーラのようなものが立ち上っているように見えた。
きれい……。
うっとりとその輝きに見ほれる。
あ、と恵武が上げた声で萌々香は我に返った。
改めて見る尊琉の目は日本人によくある茶色で、青銀などではなかった。
「焼きたてのおせんべいだって!」
せんべい店の一角で生のせんべいを焼き、しょうゆをぬってからまた焼いている。香ばしい良い匂いが漂っていた。
「ダメだ、晩御飯が入らなくなるだろう」
すかさず尊琉が止める。
「大丈夫だって!」
「じゃあ私が買ってあげる。半分ずつしようか。それならいいでしょう?」
萌々香が言うと、尊琉は渋面を作ったが、結局は買うことを許可した。
「おいしいのよ、ここのおせんべい」
子供のころからなんども買いに来たせんべい店で、店主もまた萌々香の知り合いだ。
「おじちゃん、せんべい二枚ね」
萌々香が言うと、尊琉が眉を上げた。
萌々香の心がふわっと温かくなった。それは胸に広がるいっぽうで、徐々に萌々香の全身を満たしていく。
萌々香は目を離せなくなった。
なぜか彼の目が青銀に輝いているように見える。いや、目だけではない。全身から青銀の炎のようなオーラのようなものが立ち上っているように見えた。
きれい……。
うっとりとその輝きに見ほれる。
あ、と恵武が上げた声で萌々香は我に返った。
改めて見る尊琉の目は日本人によくある茶色で、青銀などではなかった。
「焼きたてのおせんべいだって!」
せんべい店の一角で生のせんべいを焼き、しょうゆをぬってからまた焼いている。香ばしい良い匂いが漂っていた。
「ダメだ、晩御飯が入らなくなるだろう」
すかさず尊琉が止める。
「大丈夫だって!」
「じゃあ私が買ってあげる。半分ずつしようか。それならいいでしょう?」
萌々香が言うと、尊琉は渋面を作ったが、結局は買うことを許可した。
「おいしいのよ、ここのおせんべい」
子供のころからなんども買いに来たせんべい店で、店主もまた萌々香の知り合いだ。
「おじちゃん、せんべい二枚ね」
萌々香が言うと、尊琉が眉を上げた。