萌々香はあきらめた。
 逆にこの衣装でなければ、本当に商店街の人に誤解が広がってしまうだろう。

** *

「僕も手をつなぐ!」
 そう言い張る恵武のために、恵武を挟んで手を繋ぎ、三人で歩く。
 なんだかほっとしたようなさみしいような気持になり、萌々香はそんな自分に戸惑った。
 尊琉は萌々香と恵武の歩調に合わせてゆっくりと歩いた。
 恵武は初めて見る商店街に興奮してきょろきょろしていた。
 かと思うとはしゃいで二人の手にぶらさがったり、急に走り出したりして萌々香たちを翻弄した。
「お目付け役……どっちが」
「だろ?」
 萌々香の呟きに尊琉が同意する。
 ふふっと笑うと尊琉も笑った。