「でも、お店が」
 萌々香が反論すると、
「おばさーん」
 美穂が店内に声をかける。

「萌々香、ちょっとでかけてきまーす!」
 貴子が出てきて、美穂と萌々香、男性を見比べた。

「そう、行ってらっしゃい」
 貴子は萌々香にそう言った。

「そんな!」
「行こう」
 男性に手を引かれてその場を立ち去る。

「美穂ちゃん、あの人は恋人なのかしら」
 貴子は少し困惑してたずねた。

「これからなるんだと思いますよ」
 にやりと笑う美穂に、貴子はあらあら、と呟いた。